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タイトル 日本ニュース 第247号
公開日 1945年(昭和20年)3月8日 日本ニュースについて

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チャプター

[1] チャプター1 航技学生の操縦訓練  02:03
[2] チャプター2 ルソン戦線  02:17
[3] チャプター3 硫黄島  03:14

再生テキスト

<陸軍航空本部飯島大佐: 諸氏は既によく知っておるとおり、現在の飛行機というものは、例えば速度とか上昇限度とかいうような、数字的の性能が良いばかりでは決して優秀な飛行機とは言えないのであって、性能が簡単で、取扱整備が非常に容易で、その上に操縦が容易な飛行機であって、初めて優秀な飛行機ということができるのである。この見地から言ったならば、単に高遠な学理理論を知っておるだけの技術者では到底こういう飛行機は造れないのであって、航空技術者は理想を言ったなれば、優秀な職工の腕前を持ち、さらに優秀な操縦者の技量を持っておって初めて、一流の設計技術者ということができる。>

<教 官> 「自ら飛行機を操縦してみて、技術的に一体どんなことを感じたか。ムラセ」

≪ムラセ≫ 『はい。重要なる計器類、例えば速度計、回転計、高度計などはひと目で見えるようにまとめたほうがいいと思います。』

<教 官> 「よし。ほかにないか。はい訓練生」

≪訓練生≫ 『はい。ボルト及びナットの規格をさらに簡単に統一すべきであると思いました。』

<教 官> 「よし。みんな、いろいろ感じたと思うが、要はこの操縦の体験を技術の上に生かして、将来、技術将校としての識量、技能の養成に一段と努力してもらいたい。そして敵の後についてくれ。終わり。」

≪***≫ 『敬礼。(一同)』

 眼下に見下ろすタルラック平野。リンガエンからマニラへ、敵を懐深く誘い入れて、これを随所に撃破する、我が山下作戦。いわく挺身(ていしん)斬込(きりこみ)隊。
勇猛無類の我が陸の荒武者に、現地の義勇軍もはせ参ずる。宿敵アメリカの野望覆滅へ、灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、今ルソンの平野を血に染める、我が出血作戦。
 敵軍、皆殺し。山陰に静かに出撃の時を待つ、我が将兵。
伝家の宝刀に最後の磨きをかける。隊長は地図をにらんで作戦にふける。敵戦車爆砕の準備も成った。整列。出発に当たって隊長の訓辞。今こそかけん、必殺の斬込、殴り込み。物量のみに頼る敵に、全員殺戮(さつりく)の痛打を与えんと、斬込隊は敵陣深く進んでいく。

 東京を南へ1200キロ。太平洋の孤島、硫黄島。島の北部に険阻なる高地を有するとはいえ、周囲わずか18キロ。今、この島は本土防衛の最前線である。敵がマリアナに進出して以来、激しさを加えたこの島への攻撃。そして2月19日、ついにこの島もアメリカ兵鏖殺(おうさつ)の戦場と化す。この島を守らせたまえ。死してもたじろがじの決意を込めて、簡素な社に祈念せし、陸海の勇士たち。
その名のごとく、硫黄を噴く火山灰地。飲む水さえ事欠く困苦欠乏。しかし、我が陸海将兵は、よくこの辛酸に打ち克(か)った。木の枝からしたたる水をためては、飲料水に代えた。地熱が原。温泉を利用しての飯ごう炊さん。味気なき陣中生活に耐えて、将兵の士気はいよいよ高まった。
 前線指揮所に、敵必殺の策を練る我が最高指揮官、栗林陸軍中将。海軍航空部隊指揮官、市丸海軍少将。島の南端に位する摺鉢山の下、陸海の精鋭は打って一丸、日夜訓練に訓練を重ねた。
我に烈々の闘魂あり。肉迫攻撃。戦車へ必殺の体当たり。さらに斬込(きりこみ)挺身(ていしん)。膨大な出血作戦へ、来るべき敵に備えての激しい演練。
今、この島に4万に余る敵軍を迎え、意気まさに天を衝く勇士の決意を歌にしのぶ。
「君が代を 永久に安けき御戦へ 硫黄の島に屍(かばね)さらさむ」。

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