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タイトル 日本ニュース 第194号
公開日 1944年(昭和19年)2月16日 日本ニュースについて

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チャプター

[1] チャプター1 南海決戦場 ニューギニア・ソロモンの激戦  09:20

再生テキスト

人呼んで千古斧鉞(せんこふえつ)を知らざる樹海と言い、前人未踏の天地と唱える。ここニューギニアの戦場こそは、まさしく文字通りの密林地帯。
日夜皇軍勇士の苦闘が自然を相手に重ねられ、新たなる地域を切り開いていく。だれがこのように苦難に満ちた戦闘を考えることができるであろうか。敵はポートモレスビーに本拠を構えて、その豊かな物質力に頼ろうとしている。この敵の反攻を断固撃滅するに先立って、皇軍勇士はまず密林との戦いに勝たねばならぬ。根株の大きな密生する竹叢(たけむら)。多種多様の蔓草(つるくさ)。払っても、払っても、それが前進を阻む。山ヒルが襲う。ヤブ蚊が襲来する。しかもジャングル特有の蒸し暑さである。こうした地帯で最も苦しめられるのは水である。前進を阻む竹を切り取って、給水班は即席の給水塔を作りあげ、これを第一線の戦友へ運んでいく。尊い水ではある。
道なき道を踏み分けての負傷者後送は衛生兵の任務である。補給が難しければ、それだけ衛生兵の苦労も増える。とぼしい薬品、資材を持って、衛生兵もまさに激戦を展開しているのである。
戦いの規模は大きく、戦いの姿は深刻にして複雑である。ここに立つ歩哨のたゆみなき監視のごとく、あらゆる戦線に我々もまた注意を怠ってはならぬ。

我がニューブリテン島の基地、ラバウル。巌(いわお)のごとく揺るがず。敵は2月1日、マーシャル諸島中のクェゼリン、ルオット両島に上陸し来たった。敵もまた死力を尽くさんとしている。一介の珊瑚環礁に過ぎぬ2つの島にすら、足がかりを求めたではないか。その上陸によって敵は、今やラバウルを包囲したと考える。戦局は重大である。しかしうろたえる必要は全くない。敵の野望を空中に打ち砕き、一日、一日、撃墜の数を重ねる海の荒鷲、我にあり。

激しい警報が鳴り渡った。コンソリデーテッドB-24を含む戦爆連合の大編隊。愛機へ、戦闘機へ、即刻出動。砂塵(さじん)を巻いて海鷲は離陸、大空の彼方へ。
アメリカは幾たびか我が病院船を襲って恥(はず)るところなし。されば退避運動に移る。折からの密雲を利し、我が戦闘機の邀撃(ようげき)を免れて、敵編隊、ラバウル上空に侵入。地上砲火、一斉に火を吐く。
コンソリデーテッドB-24、火を噴いて撃墜さる。また1機、B-24、奈落(ならく)をめがけてまっしぐら。激しく食い下がる我が戦闘機の攻撃に耐えかねて、ノースアメリカンB25、地上すれすれに逃げ回る。
敵は物量にものを言わせて押し寄せる。たとえまぐれ当たりとは言え、我が方にも時に損害は生ずるものである。
敵戦闘機、P-40。
敵機はことごとく遁走(とんそう)し去った。既にして基地の人々が待つものは、1機、また1機、山の陰から聞き慣れた爆音とともに帰り来る友軍の荒鷲たちである。荒鷲を待つ心。それは厳しく身の引き締まる血肉の心であることに、人々は今日もまた思い当たるのである。帰ってきた勇士は、ひと言も語らぬ。ただ、大きな弾痕が激しかった戦闘を物語ってくれる。よく帰ってきてくれた。無言の感謝が隅々まで行き渡っていく。しかもその瞬間に、次への出動準備が進められているのである。
そのとき、隊長は報告していた。全機、無事帰着。
戦果は輝かしいものであった。撃墜、69機。
突然、勇士たちをわーっと喜ばす得難い贈り物が司令官から届けられた。さて、この上とも、我々銃後は勇士たちを喜ばそうではないか。航空機の贈り物を持って。

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