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2011年11月19日(土)放送

名医にQスペシャル2011 ここまでわかった!がん予防術

がん細胞と予防


ヒトの体にはがん細胞に対処するさまざまな防御機構が備わっている

人の体はおよそ60兆個の細胞で成り立っており、常に新陳代謝を繰り返している。細胞分裂の際、何らかの「刺激」によってミスコピーが起こり、いびつな形の細胞が生まれることがある。こうしたミスコピーが蓄積されることで「がん細胞」ができる。「がん細胞」は、なかなか死なず、いつまでも増え続けるという性質を持つ。
がんを予防するには、まず、がん化のきっかけになる「刺激」を減らすこと。刺激の中でも、特にがん化を促進するようなものは「発がん性」があるとされ、例えばたばこ、ウイルス、紫外線などは発がん性がある刺激とされている。
また、人間の体にはいろいろな段階で、がんの発症をくい止める防御機構がある。ミスコピーされた細胞に「修復遺伝子」が働いてミスコピーの蓄積を防いだり、がん細胞を「異物」と認識して「NK(ナチュラルキラー)細胞」が攻撃し排除したりする。こうした防御機構がうまく働くようにするには、全身の健康状態が重要になる。

がんのリスクチェック

生活習慣とがんには深い関係があることがわかってきた。国立がん研究センター予防研究部では、「年齢・性別」「喫煙の有無」「飲酒量」「BMI(肥満度)」から、今後10年間にがんになる確率を割り出す「がんリスクチェック」を公開している。

  • 年齢・性別
    がんは長い年月をかけて起きるために、一般に40歳までにがんになるリスクは高くない。その後は年齢が上がれば上がるほどリスクは高くなる。60歳までは男性よりも女性のほうががんになるリスクは高い。これは女性特有のがんである「乳がん」「子宮がん」が30代~50代に起こりやすいため。
  • 飲酒量
    1週間に摂取するアルコール量によって、がんのリスクは変わり、過度の飲酒がリスクを高めることがわかっている。「ときどき(月1~3回)飲む」グループが最もがんのリスクは低い。1週間にとるアルコール量が300gを超えるとリスクが高くなり、450g以上になると「ときどき飲む」の1.61倍になる。「日本酒1合」「ビール大瓶1本」「焼酎コップ2/3(120ml)」「ワイン200ml」が、それぞれアルコール量およそ23gに相当する。
  • BMI(体格指数)
    太りすぎ、やせすぎともがんになるリスクを高めることがわかっている。
    肥満の度合いを表す指標として、体格指数「BMI」がある。
  • BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
    日本人のデータではBMI30以上と21未満でがんになるリスクが高くなっている

チェックしたい方はこちら
● 国立がん研究センター 予防研究部 「がんリスクチェック」 http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/

個別の部位のがんのリスク


「胃がん」や「大腸がん」など個別の部位のがんについて、リスクを左右するものがわかってきている。リスクを上げる要因としては、「胃がん」では「塩分の多い食事」、「肺がん」では「サプリメントによるβカロテンの大量摂取」、「食道がん」では「熱い飲食物」、「大腸がん」では「加工肉の食べすぎ」などがある。
 一方、リスクを下げる要因としては、「胃がん・食道がん」では「野菜・果物」、「大腸がん」では「運動」などがある。また、「胃がん」では、女性については「緑茶」がリスクを下げるが男性についてははっきりしていない。また「肝がん・大腸がん」では、「コーヒー」がリスクを下げるのではないかと考えられているが、さらにデータの蓄積が必要と評価されている。
大事なことは、1つのものだけで効果を得ようとするのではなく、いろいろなことを積み重ねて全体としてリスクを下げることである。

がん予防のための食事術

がんや生活習慣病を予防するには一日400gの野菜・果物をとることが推奨されている(第三次対がん総合戦略研究事業「生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究」)。野菜・果物を毎日欠かさずにとるためにおすすめしたワザが「野菜袋詰め作戦」。密閉式のポリ袋を使い、一人一袋を1日の目安にして野菜を詰める。袋のサイズは、中サイズ(約18~20cm四方)。バランスよくとるためには「淡色野菜2:緑黄色野菜1」を目安にするとよい。

運動でがん予防

運動は、筋トレ・有酸素運動とも、がんのリスクを下げることにつながると考えられている。

  • 歩きの基本姿勢
    中高年のウオーキングでは背中が丸まって「猫背」になってしまうことが多い。両手を真上に上げると自然に背すじが伸びるので、その姿勢で歩くとよい。そのほか「腕はしっかり後ろに引く」「軽くあごをひき、2~30メートル前を見る」「無理のない範囲で歩幅は広く」などがポイント。

  • インターバル速歩
    インターバル速歩は、速歩と通常のウオーキングを繰り返す、長野県松本市で活動する「熟年体育大学」で行われている運動法。通常のウオーキングよりもエネルギー消費が多いため、少ない運動時間でより大きな効果を得ることができる。速歩は、きついと思うくらいのスピードで行う。疲れたり息がきれたりした場合はペースを落とす。
  • イスに座って行う運動
(1)足踏み運動 しっかりしたイスに深めに座り、足を10センチほど上げる。
太ももの筋肉を鍛える。
(2)脚の曲げ伸ばし ひざを使って脚を伸ばしたり曲げたり行う。
片方の脚5回行ったら、逆側を5回行う。
太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。
(3)足首こんにちは運動 ひざを伸ばしたまま、足首を伸ばしたり曲げたりを繰り返す。

細菌やウイルスの感染もがんのリスク要因

がんの原因となる細菌・ウイルス感染としては、「胃がん」の「ヘリコバクター・ピロリ」、「肝がん」の「B型・C型肝炎ウイルス」、「子宮けいがん」の「ヒトパピローマウイルス(HPV)」などがある。まずはこれらの感染を防ぐことががん予防につながる。感染していても検査や治療によって「がん」に進行させないことが大切。

がん予防レシピはこちら>>

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