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2011年04月30日(土)放送

しつこい肩の痛み・こり

肩関節とは

腕の骨は肩甲骨の浅く窪んだところにはまっているが、肩関節は、全身の関節の中でも最も大きく動くため、もともと安定しにくい構造になっている。腕の骨は、骨と骨をつなぐ「じん帯」だけではなく、筋肉でも支えられている。その筋肉と腕の骨をつないでいるのが腱板(けんばん)(画像では黄色く示された部分) と呼ばれる部分。

筋肉の疲労による肩の痛みやこり

重い頭を支える筋肉は、肩や腕も支える筋肉「僧帽筋」や、肩甲骨を引き上げる役割も持つ「肩甲挙筋」。
これらの筋肉が疲労して硬くなってしまうと肩こりの原因になる。さらに、硬くなった筋肉が血管を圧迫して血液の流れが悪くなると、筋肉に血液を通して送られる酸素や栄養が不足、筋肉の中に「痛み物質」がたまって、知覚神経から脳に痛みが伝わる。そして脳に痛みが伝わることによって、脳から交感神経や運動神経に指令が出され、ますます血管が収縮し筋肉も緊張してしまう。こうして肩こりと痛みの「悪循環」に陥ってしまうことになる。

筋肉の疲れの原因「悪い姿勢」

猫背で頭が前に出てしまう姿勢になると、肩甲挙筋などが常に頭を引っ張っている状態になり、前かがみになるために両肩も前方に下がって、僧帽筋も肩を引っ張り上げるため収縮した状態になる。このような姿勢を長い時間続けていると、筋肉が常に収縮して硬くなったままになり、こりが発生する。

  • 正しい姿勢のチェック法
    壁に背中を向けて立った時、正しい姿勢のポイントは、
    「お尻(骨盤)」「肩甲骨」の2点が壁につくことと、「後頭部」と壁の隙間は指1~2本程度になること。

タイプ別 肩こり体操

運動には、ストレッチで縮んだ筋肉を伸ばす効果と、筋トレで筋肉を鍛える効果がある。どちらか一つだけではなく、「伸ばすことと鍛えること」両方行うことが大事。
正しい姿勢も運動も、ずっとやっていると逆に疲れてしまうので、気がついたときに行うことが長続きするコツ。
※運動をする際に痛みなど気になる症状があれば無理をせずに、医師に相談して行うようにしてください。

<肩のタイプを見極める>
自分のタイプに合わない体操をしても効果は低いので行わないように注意!(逆にひどくなることもある)
● いかり肩・・・目安は鎖骨の端が上に向かっている
● なで肩・・・目安は鎖骨の端が下に向かっている

  • いかり肩の体操
    肩甲挙筋と僧帽筋の上部が硬くなっている。この2つを伸ばす。
    僧帽筋の下部は十分に使われていないので、鍛える。
    ① 両肩を軽く上げる
    ② リラックスして両肩をストンと落とす
    ③ 手をお尻の後ろ側で組んで、肩を肩甲骨ごと下に引き下げる。このときにおなかは出さない。

  • なで肩の体操
    肩が下がり、常に肩甲挙筋が肩を引き上げようと緊張している状態なので、肩甲挙筋は伸ばす。
    僧帽筋の上部が弱く伸びてしまっているので、鍛える。
    肩甲挙筋を伸ばす
    左の肩甲挙筋を伸ばしたい場合
    ① 右手で左の肩をつかむ
    ② 鼻を右肩(伸ばしたい筋肉と反対側の肩)に近づける

    僧帽筋を鍛える
    ① 腕を横に開いて肘を曲げる。肘は肩より高い位置
    ② 肩甲骨も一緒にぐっと持ち上げ、そのまま5秒くらい止める。肘を伸ばすのではなく、肩甲骨から上げることが大事。

薬での治療(筋肉の疲れによる痛み・こりの場合)

・非ステロイド抗炎症薬・・・炎症を抑えて痛みを緩和する。
・筋弛緩薬・・・筋肉のこわばりが強いときに服用。
・トリガーポイント注射・・・圧痛点(押さえて痛い点)圧痛点に局所麻酔剤を注射して、痛みを取る。
局所麻酔剤で神経の痛みの伝達を遮断し、神経を一時的に休ませることにより、「痛みの悪循環」を断つ。
・星状神経節ブロック・・・首にある星状神経節という交感神経の固まっている場所に麻酔をして、交感神経による血管の収縮を緩和して血行をよくし、「痛みの悪循環」を断つ。

関節の障害による肩の痛み

関節の障害で起こる肩の痛みのうち最も多いのが「五十肩」。40~50代で多く起こり、特別な治療をしなくても、多くはやがて治る。五十肩に次いで多いのが「腱板断裂」で、50代以上の高齢者に多く見られる。
五十肩と同じような痛みだが、しっかり治療をしなければ、症状が悪化してしまう。
● 腱板断裂とは...
肩関節の腕の骨は、前、後ろ、上の三方向から筋肉によって支えられているが、この筋肉と腕の骨をつないでいるのが「腱板」。肩関節の動きを安定させる役割を担うが、肩の使い過ぎや加齢、転倒や打撲といったけがなどによって、亀裂が入ったり、断裂したりするのが腱板断裂。6割は、いつの間にか断裂していたというケースで、4割は激しい動作やケガなど外傷がきっかけと言われている。
肩関節の動きが不安定になり、腕の骨が肩の関節にあたるため、炎症が起きるなどして痛みがおこる。

腱板断裂の治療

基本は薬物で痛みをとりながら、運動で筋肉を鍛えて肩関節を安定させる。それでも痛みや生活の支障がある場合に手術を行う。運動と薬物による治療で7割くらいの人で痛みがとれている。

可動域を広げる運動 その1
可動域を広げる運動 その1

  • 可動域を広げる運動 その1
    ① あおむけに寝そべる
    ② 腕を頭の上に伸ばす
    ③ 反対側の手で押す
  • 可動域を広げる運動 その2
    ① 寝そべったまま、頭の後ろで手を組んで、両ひじを閉じたり開いたりする

肩の後ろ側の筋肉を鍛える運動
肩の後ろ側の筋肉を鍛える運動

  • 肩の後ろ側の筋肉を鍛える運動
    ① 輪になったゴムを親指にひっかけ両手で握る。(ゴムはスポーツ用品店などで購入できる)
    ② 両手で外側に引っ張り止める。引っ張っているときに筋肉が鍛えられる。
    ③ 3秒~5秒したら元に戻す。1セット10回
    ※腕は脇につけて行うこと。
  • 肩の前側の筋肉(腕を開く筋肉)を鍛える運動
    ① 痛みのある肩の側の腕を、ひじを曲げたまま前に出す。
    ② その手のひらに、反対側のこぶしを押しつける。
    ③ 痛む肩の側の手は押されないようにする。
    ④ 3秒ぐらいしたら元に戻す。1セット10回
※運動をする際に痛みなど気になる症状があれば無理をせずに、医師に相談して行うようにしてください。

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