緊急報告!街の殺し屋スズメバチ被害急増中2009年09月30日放送
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緊急報告!街の殺し屋スズメバチ被害急増中

毎年、毒ヘビやクマを上回る死亡被害者を出すスズメバチ。まさに日本最恐の野生生物だ。

ちょうど今の時期、夏の終わりから秋にかけては被害のピーク。その上、近年、住宅街や都市でスズメバチが急増しているのだ。

いったいなぜ都市部でスズメバチが増えているのか?
スズメバチはどのようにして人を襲うのか?
その毒針や毒液に秘められた攻撃力とは?

絶対に自分ではためせない、体を張った大実験でスズメバチの知られざる生態を徹底解剖
敵を知れば、おのずと対策が見えてくる。

あなたの街にもきっといるスズメバチ。対策の決定版!

番組ディレクターからのひとこと

スズメバチの脅威を疑似体験

「住宅街や都市でスズメバチが急増している!」と聞き、始めた取材。専門家の案内で最初に出会ったスズメバチは、予想していたよりもはるかに小さく、せいぜいアシナガバチ程度の大きさでした。
聞けば「キイロスズメバチ」という種類とのこと。

「なーんだ。たいしたことないじゃん」と思ったのもつかの間。カメラを担ぎ、接近してみると、その攻撃力は強烈でした・・・。
防護服で完全防備していても、思わずひるむその迫力を疑似体験していただければ、改めてスズメバチの怖さが分かります。

都市型スズメバチの攻撃力に迫る!

住宅街や都市に進出するスズメバチ
駆除の専門家とともに大都会・横浜へ向かうと、軒先などに巣を作るスズメバチを多数発見!
今年は例年の2倍近いペースで駆除依頼が寄せられているという。

特に著しく増殖中なのが、キイロスズメバチ
一見スズメバチとは思えないほど小さく、見逃している人も多いようだ。
しかし、実は攻撃性が高く、危険な存在だという。
キイロスズメバチはいったいどのように攻撃してくるのか?

そこで、志の輔くんと文惠ちゃん(着ぐるみ)がその攻撃力を突撃リポート!
巣まで2メートルを切ったとき、キイロスズメバチの総攻撃が始まった。

直径30センチほどの巣から次々と飛び出すキイロスズメバチ。その数、およそ500匹。
鈍い羽音を響かせて襲いかかり、顔や頭、手などに噛み付き毒針を突き立てる。
その恐怖の攻撃力をカメラがとらえた!

何度でも刺せる毒針の秘密

スズメバチの攻撃をよく見ると、強靭なアゴで噛みついて、鋭い毒針を何度も刺していることが分かった。
「ハチの一刺し」という言葉にもあるように、ハチは一度刺したら死んでしまうはずではないのか?

実はそれはミツバチの話
電子顕微鏡で観察すると、ミツバチの毒針にはギザギザの返しが目立つ。このため、一度刺すと相手に返しが引っかかり、体内から毒袋が抜け出て死んでしまうのだ。

一方、スズメバチの毒針はギザギザの返しがつるっとした鞘(さや)に収まっていた。
この鞘ごと刺すので、針が体から抜けてしまうことはなく、毒液がなくなるまで何度でも刺すことが出来る。
一度刺したら死んでしまうということもない。
スズメバチの執拗なまでの攻撃の秘密はその毒針にあったのだ。

毒液の恐るべき破壊力!

スズメバチに刺され、毒液を注入されるといったいどうなるのか?

ヒトの血液から取り出した赤血球にキイロスズメバチの毒液をかけると、なんど風船がはじけるように赤血球が壊されてしまった!
毒液は細胞膜を溶かし、あらゆる細胞を破壊するのだ。

スズメバチに刺されて亡くなるのはこの破壊力のせい?と思いきや、その死因の多くはなんと「窒息死」

一度スズメバチに刺されて抗体が出来ると、二度目に刺されたとき、全身で急激なアレルギー反応が起きてしまう場合がある。
「アナフィラキシー・ショック」と呼ばれるこの反応のせいで、血圧の急降下とともに喉の粘膜のむくみ、気管の収縮が起き、窒息してしまうのだ。

これが「ハチに二度刺されると危ない」とされる理由だが、体質によっては一度刺されただけでも命の危険がある。
このような深刻なアレルギーを起こす人の割合はよく分かっていないが、アメリカの研究では0.4~3%という数字もある。

毒液に隠された「攻撃開始」の合図!

突撃リポートを終えた志の輔くんと文惠ちゃん(着ぐるみ)には、刺されたあとのほかに毒液を吹きかけられたあとも残っていた。
実はこの「吹きかけ」に、恐ろしいスズメバチの集団攻撃の秘密が隠されていた!
いったいどういうことか?

スズメバチの毒液を分析して得られた5つの香り成分を濾紙(ろし)につけて、巣の前にかざしてみた。
それぞれを単独でつけた場合はなんの反応も示さなかったが、5つを同じ濾紙につけると、巣にいる全員を動員しての総攻撃が始まった!

つまりスズメバチは「香り」を使うことで、外が見えない巣の中にいる仲間たちにまで攻撃の合図を送っていたのだ。

こうした香り成分の一部は香水や食品にも含まれている。偶然いくつかの成分が揃ってしまえばスズメバチの標的になってしまう可能性もあるのだ。

都市に進出してきた理由とは?

野山にいたはずのキイロスズメバチは、なぜ都市に進出してきたのか?
その理由の一つが「食べ物」にあるという。

キイロスズメバチの巣の前に肉や魚、ドッグフードなどの食材・料理を並べると、次々とかじりとって巣に持ち帰っていった。幼虫の餌にするのだ。

スズメバチは本来、生きた昆虫を捕まえて幼虫の餌にしている。しかし、キイロスズメバチは調理された魚や動物の肉まで幼虫の餌にできる。このため、都市のゴミ捨て場は格好の餌場になりうる。

ほかにも、人家の軒先などは雨風がしのぎやすい、天敵となるオオスズメバチがいない、など、都市や住宅街はキイロスズメバチにとって好条件がそろっている。

スズメバチ対策の鉄則はこれ!

スズメバチに刺されないためにはどうしたらよいのか?
さまざまな実験を行った。

まず、黒い服vs白い服
結果は圧倒的に黒が狙われた。特に注意が必要なのは黒い髪の毛。スズメバチに出会いそうなところでは、白い服と白い帽子がよいようだ。

次は、振り払うvsじっとしている
激しく動くとスズメバチの集中攻撃を受けてしまった。

最後に、虫よけスプレーありvsなし
蚊やブヨなど、血を吸う虫には効果があっても、巣を守ろうとして襲ってくるスズメバチには虫よけスプレーの効果はなかった

こうしてスズメバチを徹底研究してきたガッテンがまとめた鉄則は・・・
・見つけたら 低い姿勢で ゆっくり逃げろ
・一匹でも 攻撃受けたら 全力ダッシュ
・刺されたら 搾り冷やして 病院へ

※注射器のような形をした毒吸引器(ポイズン・リムーバー)は、アウトドア用品店などで1000円~3000円程度で販売されています。