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Array回「シリーズ オーストラリアの珍鳥(1) 熱唱!鳥のモノマネ王」

【総合・地上デジタル】

コトドリはオーストラリア東部の森に暮らす。大きさは1メートルほど。長い尾を持つ一見キジに似た鳥です。冬、コトドリが恋の季節を迎えると、森にはオスの恋の歌声がにぎやかに響き渡ります。この歌声を詳しく聞いてみると、次から次へ他種の鳥の鳴き声がまるでメドレーのように続きます。カワセミやヒタキ、インコ、カラスなど付近に住む鳥のさえずりをほとんど網羅しています。本物の声と比較しても違いがわかならいほどそっくり! さらに人間の声やカメラのシャッター音、チェーンソーの音やサイレン、電車の音までマネしてしまうコトドリもいます。
コトドリは恋のバトルを歌合戦で行います。ものまねがそっくりでレパートリーが多いオスほどよくモテます。“ものまねソング”は、オスの魅力を示す大切な武器なのです。歌は修行を積まないと上達しません。若手の初心者は、持ちネタが少ない上にちっとも似ておらず、メスには一向に見向きもされません。一方、経験を積んだベテランは、自分の美声も織り交ぜながら、なんと15種類もの鳥の鳴き声を見事に鳴き分けられます。さらに20分もノンストップでメドレーで歌い続けることもできる。大きな歌声は1キロ四方へ響き渡り、周辺のメスのハートをがっちりつかむのだ。
メスは単に“ものまねソング”が大好き、というわけではない。実は、ものまねのベテランほど一等地に広い縄張りを持っています。ベテランの上手な歌を聴くと若手のオスが「これはかなわない」と近寄らなくなるうえに、まねをされた他の種類の鳥まで警戒してその場からいなくなるという。ものまねのベテランは、安全で広い縄張りを独占する大地主。メスにはこれが魅力なんです。
歌に誘われてメスが現れると、オスは縄張りの中に特別に準備した舞台でゴージャスな尾羽を見せびらかす。そして華麗なステップで踊り、結婚へと導いていく。恋が成就すると、メスは夫の縄張りでヒナをかえす。地面の上に小枝を積んだだけの巣は一見無防備だが、ベテランオスの安全な縄張りなら安心なのです。

放送予定

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