ローマで急増!海を捨てたカモメ

第494回「ローマで急増!海を捨てたカモメ」

2017/2/26(日)午後7時30分~

イタリアの首都ローマに、異変が起きています。海鳥のカモメが街中で急増しているのです。その数は、今では1万5千羽。観光客から食べ物を奪う光景は、もはや日常茶飯事となっています。

カモメといえば、大海原を自在に飛び回り、波間の魚を器用に捕まえる海の鳥。しかし、ローマは、海から30キロも離れた内陸の都市。なぜカモメは内陸のローマで数を増やしているのでしょうか?

実は最近、地球温暖化の影響で地中海の海水温が上昇、カモメの食べ物となるイワシやイカなどが激減しているのです。そのため、カモメはやむなくローマの街に移住して来たと考えられています。

ローマに進出したカモメたちの子育ての場は、民家の屋根の上。市場のゴミ捨て場で生ゴミをあさってヒナに運びます。さらに、カモメとは思えない都会ならではの狩りの技まで編み出しました。深夜、街中の広場で狙うのは、なんとネズミ。夜でも明るい都市ならではの狩りの技です。さらに極めつきは、街にたくさんいるハトを襲う狩り。右に左に急旋回を繰り返すハトを集団で追いかけ、まるでハヤブサのように空中で捕えるのです。

親鳥たちの苦労が実ってヒナたちは立派に成長、ついに巣立ちを迎えますが、そこに待ち受けていたのは、同じカモメによる攻撃でした。

ローマのカモメの子育てに密着し、カモメが海を捨てて都市へ移住した謎と、大都会でのサバイバル術に迫ります。

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取材こぼれ話

永遠の都 ローマ 編

ローマの超1等地に暮らすカモメたち

今回の「ダーウィンが来た!」はイタリアの首都ローマに暮らすカモメたちのお話。私たちは春先から夏にかけて、子育てに悪戦苦闘するカモメたちの姿を追いました。ローマのカモメに1番人気の子育て場所は旧市街の古い建物の屋根の上。私たちもカモメの姿を求めて、ホテルの展望スポットや教会の屋根、学校の屋上など、あらゆる高い場所に上りましたが・・・びっくり!屋根の上には、下で見るのとはまた別の、息を飲むほどに美しい風景が広がっていたんです。ローマといえば、旧市街すべてが世界遺産に登録されている歴史と美の殿堂。至る所に優美な教会や貴族の館が立ち並んでいますが、これらの建物は通りから見える建物部分だけでなく、人が普段上ることのない屋根の上までも贅を尽くして造られていたんです。この絶景を日ごろから楽しめるのは、屋根職人さんと鳥くらいなもの。夕焼けを背にしたサン・ピエトロ大聖堂を見ながら、屋根の上で暮らすローマのカモメが羨ましいと思いました。今回の番組では、カモメ目線のローマの絶景もお楽しみください!!

おいしい!イタリアの漁船ライフ

カモメはもともと海の鳥。海でカモメがどんな暮らしをしているのか観察すべく、私たちはカタクチイワシの漁船に乗せてもらいました。朝5時、漁港出発。十数キロ沖に出ると長い網を海中に沈め、網を引きずってカタクチイワシを捕ります。カモメは網から逃げ出す小魚を目当てにやってくるとのことでしたが、お昼になってもカモメの姿は見えません。 漁師さんの話では、昔は船出と共にカモメが寄って来たけれど、ここ10年、ついてくるカモメの数が減っているのだとか・・・。海のカモメの姿は撮れるのか!? 不安な気持ちでいる我々の脇で、漁師さんたちは、傷ついて売り物にならないカタクチイワシを料理し始めました。メニューはカタクチイワシのフリット(天ぷら)と、スパゲティのカタクチイワシ入りトマトソース和え。試食してみると、これがおいしいのなんの!釣り上げたばかりの新鮮な魚、大鍋でゆでるパスタ、心地よい潮風、陽気な漁師さんたちとの楽しい会話、それらが相まって極上の味を作り上げています。食事中、漁師さんがこんな話をしてくれました。「漁師の間では、昔からカモメは漁師の魂だと言われていたんだ。カモメがいなくなると漁師も消える。漁師がいなくなるとカモメも消える。近年、廃業する漁師が多い。だからカモメも減っているんだ・・・でも、陸に上がったら、人もカモメもこんなうまい魚は食べられないのにね」

午後になってやっとカモメが姿を現し、無事に撮影を終えることができました。どうして海で暮らすカモメが減っているのか、その理由は番組をご覧ください。