美魚ミノカサゴ 超キケンな素顔

第468回「美魚ミノカサゴ 超キケンな素顔」

2016/7/24(日)午後7時30分~

「海の貴婦人」とも呼ばれる美しい魚、ネッタイミノカサゴが主人公。大きさは20センチほど。赤と白の派手なしま模様で、体中から細長い飾りのようなものが伸びています。この飾りのようなものは、ヒレの一部。体を大きく見せることで、天敵に狙われにくくなると考えられているのです。長いヒレを揺らしながら、のんびりと海底を泳ぎ回る姿は、貴婦人の名に恥じない優雅さです。

しかし、その美しさとは裏腹に、ネッタイミノカサゴの正体は実は超危険な毒魚。背ビレなど体中の17本のヒレに、猛毒の液体が入っているのです。この猛毒は護身用。天敵が襲ってくると、ヒレをかざして防御。ヒレが天敵に刺さると、毒が注入される仕組みです。人が刺されると猛烈な痛みに襲われ、おう吐や呼吸困難を引き起こすこともあるといいます。派手な模様は、自分が毒を持っていて危険だと天敵にアピールするための「警告色」なのです。

身を守る一方で、長いヒレは、泳ぐときにはとても邪魔。ネッタイミノカサゴは、魚なのに泳ぐのが得意ではありません。そのため、狩りのときには、驚きの技を使います。胸ビレを足のように使い、海底の岩に引っ掛けながら時間をかけて少しずつ進み、獲物の小魚に気づかれることなく、わずか数センチの距離まで接近するのです。そして最後は、驚異的なスピードで獲物を一飲みにします。

繁殖期、オスはメスを奪い合って、大バトルを繰り広げます。その時に武器になるのは、猛毒のヒレ。ヒレを相手に突き立てて押し合うのです。その優雅な姿からは想像もつかない危ない素顔を持つネッタイミノカサゴの驚きの暮らしに迫ります。

※画像クリックで拡大します

取材こぼれ話

フィリピン・マクタン島 編

探訪!熱帯アジアの島

今回の取材地は、フィリピンのマクタン島。世界的に有名なリゾート地、セブ島の玄関口、セブ国際空港がある小さな島です。こぢんまりとした静かなリゾート地かと思っていましたが、なんのその。島はエネルギッシュなアジアならではの活気に満ちあふれていました。町中では定員オーバーでは?と思えるほどの人数を載せたトライシクル(三輪タクシー)が走り回り、港では隣の島に向かう定員オーバーでは?と思えるほどの人数を載せた船が行き来していました。

そんなマクタン島で最も活気に満ちている場所が市場。島ならではの新鮮な魚介類がずらっと並びます。でも、朝早くから売っている日本と違って、マクタン島では午後3時頃からお店に魚が並びます。午前中に漁師さんが海で魚を捕まえているんです。ちなみに、ずらっと並ぶ魚の中にネッタイミノカサゴは・・・見つかりませんでした。でも、漁師さんのお話ではおいしいお魚とのことでした。

そして、マクタン島の名物といえば、夕景です。私たちが取材に訪れたのは乾季。晴れの日が続き、夕方になるとほぼ毎日絶景を見ることが出来ました。大空をまるで火の鳥が飛んでいるかのような美しい雲。波のない静かな船の上から、取材を始める日没までぼーっと眺めます。毎日忙しく時間に追われるロケですが、このわずかな時間は、最高にぜいたくなひととき。取材クルーのいやしの時間でした。