ふしぎ!輝くクモの水中生活

第307回「ふしぎ!輝くクモの水中生活」

2013/3/3(日)午後7時30分~

世界におよそ4万種類いるクモの中で唯一、水中に暮らすクモがいます。その名はミズグモ。大きさは1センチほどしかありません。ユーラシア大陸各地の水辺にいますが、日本では北海道の湿地などごく限られた場所でしか見つかっていない、とても希少なクモなんです。取材班はこのミズグモに徹底密着、不思議に満ちた水中生活術を記録することに成功しました。ミズグモのトレードマークは宝石のように光り輝くおなか。実は、ミズグモ自身が光っているのではなく、おなかの表面を覆う「空気の泡」が光っているんです。この空気がミズグモの水中生活には欠かせません。ミズグモの体は、陸で暮らすクモとほとんど同じで、空気を吸わないと死んでしまうんです。おなかの周りにつけた空気を呼吸に使うことで、水中でも生きることができるのです。でも、ミズグモのおなかには空気を包み込むような特別な仕組みはありません。水面からおなかの先をちょっと突き出すだけで、なぜか自然とおなかに空気がくっついてくるんです。どうしてこんなことができるのでしょうか?この謎解きに協力してくれたのは、科学実験の達人・米村でんじろう先生です。ロウソクのススや風船など、身近なものを使った実験でおなかに空気がくっつく仕組みを徹底解明。でんじろう先生もビックリのミズグモのスーパーテクニックが明らかになりました! さらに、おなかの空気を駆使した究極の技「空気の家」作りにも密着。空気と糸を操る奇想天外な技で水中生活を謳歌するミズグモの不思議な暮らしに迫りました。

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取材こぼれ話

北海道・太平洋沿岸の湿地 編

まさか!こんなクモが実在するとは…

私(ディレクター)がミズグモを知ったきっかけは「ガラス蜘蛛」という1冊の本。ベルギーのメーテルリンクという文学者が、ヨーロッパの沼で見られる風変わりなクモについて美しい文で書き綴ったものです。正直に言うとあまりにもその生態が風変わりなので、文章を読んでいる時には勝手に「想像上の生きもの」だと思い込んでいました。しかし読み終えた後、本の中に写真らしきページを発見。「もしや?」と調べてみたところ・・・本当に実在するクモだということにビックリ、さらには日本にも(数少ないながら)いることが分かり、またまたビックリ!

そんな勘違いから始まったという事もあり、実物の動くミズグモを見た時には感激もひとしおでした。でも実際に目の当たりにしていてもにわかには信じられないほど、その暮らしぶりは奇妙な事ばかり。人間から見ると非効率に思えるようなやり方で徹底的に水中にこだわって生きるミズグモを前に、思わず「生きものって不思議・・」とつぶやくのでした。