救世主はフクロウ!青森リンゴ園

第576回「救世主はフクロウ!青森リンゴ園」

2018/12/2(日)午後7時30分~

日本一のリンゴの産地、青森県津軽平野。津軽富士とも呼ばれる名峰「岩木山」のふもとに、リンゴ園がどこまでも広がっている。ここで今、問題になっているのが夜行性のハタネズミ。食べ物が少なくなる冬の間、リンゴ園に住み着いたハタネズミが大切なリンゴの木の皮や根を食べ、枯らしてしまうのだ。そこで農家が助けを求めるのが野生のフクロウ。夜の狩りが得意なフクロウは、このハタネズミが大好物。夜の狩りに特化した体を生かして、夜行性のハタネズミを次々と捕まえてくれる。農家はリンゴ園にフクロウ専用の巣箱を用意しておもてなし。専門家によるとフクロウが住み着いたリンゴ園では、ハタネズミの生息数が8割も減るのだという。取材班は巣箱に4Kカメラを設置し、子育ての様子を観察。するとモフモフのかわいらしいヒナを世話する、かいがいしい両親の日々が見えてきた。ヒナが小さいうちは母親が巣を守り、父親がネズミを狩り。ネズミがたくさん暮らすリンゴ園では、難なく獲物が手に入る。父親は次々とネズミを運び込むため、巣箱の中はネズミだらけに。十分な獲物のおかげで、親鳥は自然の森の中よりもたくさんの子どもを育て上げることができる。リンゴ園はフクロウにとっても子育て天国なのだ。農家にとっては農薬などに頼らなくても被害が減らせ、フクロウにとっては獲物の多い場所で子育てができる。まさに「ウィンウィン」の関係。青森のリンゴ園には、人と生きものが自然な形で協力して暮らす理想の形があった。

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取材こぼれ話

救世主はフクロウ!青森リンゴ園 編

フクロウの巣箱を最新の4K防犯カメラで24時間撮影

青森のリンゴ園に暮らすフクロウは、農家の手作り巣箱の中で子育てをします。その様子を観察するため、巣箱の中にカメラを設置することにしました。しかし“フクロウの巣箱用カメラ”なんて存在せず・・・あれこれ悩んだ末に行き着いたのが、市販の4K「防犯カメラ」でした。高精細の4K映像は、フクロウの羽の細かい模様まできれいに映し出してくれます。さらに、夜は赤外線カメラに自動で切り替わるので、夜行性のフクロウの行動を24時間バッチリ撮影することができました。

巣箱へのカメラの取り付けは、研究者の指導のもと、巣箱の横にもう一つ部屋を増設して行いました。ヒナが大きくなって動き回るようになると、カメラ部屋に入って遊ぶことも。フクロウ親子はカメラを気にするそぶりもなく、ありのままの姿を見せてくれました。

取材班に興味津々!夜の生きものたち

フクロウは夜行性なので、撮影は基本的に夜。街灯もなにもない夜のリンゴ園はとにかく真っ暗! シーンと静まりかえった闇の中で、フクロウの「ホゥ・・・ホゥホホウ」という鳴き声だけが響き渡ります。そんな中、取材班がライトを照らしてリンゴ園の中を歩き進んでいると『なんだ? 珍しい客人か?』といった感じで、様々な生きものが私たちを見ていました。キツネやタヌキ、カモシカや、最近リンゴ園に姿を現すようになった外来種のハクビシンまで。リンゴ園にはフクロウ以外にも、いろんな生きものが暮らしているようです。

リンゴ園の防風林でチョウが大乱舞!

リンゴ園のそばに防風林の役目を果たす雑木林があります。今、青森のリンゴ園では、この林の中でオレンジ色のチョウが大乱舞する謎のスペクタクルが起きています。その数なんと1億匹以上! 「アカシジミ」というチョウで、大乱舞は6月下旬の2週間だけ見られます。この現象、2010年頃から起きていて原因はまだ解明されていないのですが、「リンゴ園の低農薬化」と関係がありそうだと言います。最初に発見したリンゴ農家は「リンゴに害を及ぼす虫かも!?」と、あわてて通報したそうですが、専門家が調べたところ、主食はコナラの木の葉っぱで、リンゴには無関係でした。コナラはアカシジミの幼虫に葉を食べられ、一時は丸裸になってしまいます。しかしサナギになるころにもう一度葉をつけ、元通りの姿になるんです。コナラ、たくましい!

専門家によると、おそらくこの大乱舞はいずれ収束していくだろうとのことでした。リンゴ園で今だけ見られる不思議なスペクタクルです。