かわいい! 謎の新種オリンギート

第559回「かわいい! 謎の新種オリンギート」

2018/7/29(日)午後7時30分~

2013年、新種として発表されたオリンギート。南米アンデスの森にすむアライグマの仲間だ。哺乳類の新種発見はとても珍しく、ぬいぐるみのようにかわいらしい容姿も相まって世界中で話題となった。しかし、夜行性で体も小さく、樹上を生活の場にすることから観察が難しく、その生態は全てが謎に包まれている。そこで今回、取材班は研究者とともに、発見地であるアンデスの雲霧林に分け入り世界初の大調査を敢行した。最新の発信機やドローンなどあらゆる手段を駆使し、森のどこにいてどんなものを食べているのか、多角的に迫っていく。特殊な高感度カメラで観察すると、まるで忍者のように身軽に木々の幹や枝を飛び回り、ジャンプや回転を繰り返す様子がとらえられた。さらに、研究者が捕獲したオリンギートに発信機を装着して追跡すると、森を驚くほど広範囲に移動していることが分かった。体重がオリンギートの3倍もある、同じアライグマの仲間のキンカジューと比べると、その移動範囲は5倍に及ぶ。小さな体にも関わらず、なぜこれほど広い範囲を動き回るのか?その理由は、キンカジューやオポッサムなど、同じ木の実を食べものとして利用するライバルたちの存在にあった。体の小さなオリンギートは、ライバルたちとの競合を避けるため、並外れた運動能力を駆使して広大な森を跳び回っていたのだ。かわいらしい見た目に意外なほどのたくましさを秘めたオリンギート。その素顔が少しずつ浮かび上がってきた。

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取材こぼれ話

かわいい! 謎の新種オリンギート 編

赤道直下!!なのに寒い

エクアドルはスペイン語で「赤道」を意味する赤道直下の国。しかし、標高2000mを超え、毎日雨ばかり、気温も13〜17℃の日が続きました。ロケ車もスタックの連続、バスに乗っていた人がみんな降りてきて押してくれた時は感謝感激! さらに、滝の近くでは、突然、車に水をかけられて…、いったい何が起こったの!?詳しくは番組で!

雲霧林の「里山」生活

オリンギートを発見当初から見ていた、農家のセサル・タピアさん。75歳を超えてなお元気いっぱい!雲霧林の自然を知り尽くした強い味方です。1本のなたを使って、葉っぱから雨合羽を作ったり、サトウキビを収穫しておやつにしたり、パルミットと呼ばれるヤシの新芽をスープの具材にしたり…。パルミットは、タケノコのような食感で美味!日本でも缶詰などで売られていて高級食材なんですよ。

発見は博物館の標本庫で

哺乳類としてはとても珍しい新種オリンギートの発見。アメリカ・スミソニアン博物館にあった近縁種「オリンゴ」とされていた標本のグループをたまたま見た分類学者の「違和感」が発端でした。中に毛深く、頭骨や歯の形が違う標本を見つけ、DNA分析やエクアドルでの捕獲調査などを通じ、新種と認定したといいます。

まさかこんなにカワイイなんて

夜行性で、森の奥深くに暮らすシャイなオリンギート。初めてその姿を見た研究者たちは、そのかわいさにびっくりしたといいます。今回、取材班も、間近でオリンギートを見ることができ、まさに同じ驚きを持ちました!