海の名ドクター!ホンソメ先生の正体

第555回「海の名ドクター!ホンソメ先生の正体」

2018/6/24(日)午後7時30分~

ホンソメワケベラは、太平洋からインド洋にかけてのサンゴ礁などに暮らす全長10センチほどの小さな魚。他の魚に取りついた寄生虫や口の中の食べかすなどを食べるという独特の食性をもつ。その仕事ぶりは極めて丁寧で、毎日2千匹もの魚をクリーニングし、千匹以上の寄生虫を食べる。寄生虫を除去された魚は健康になることから、ホンソメワケベラは、まさに「海の名ドクター」なのだ。「患者」たちもホンソメワケベラの名ドクターぶりを知っており、順番待ちの行列が出来るほどの人気。さらに最近、ホンソメワケベラが別の治療も行っていることが分かってきた。なんと患者の魚にヒレでマッサージを施しているのだ。マッサージされた魚は、ストレスが低下することが確認されている。マッサージをサービスすることで、お得意様になってもらおうという作戦だ。ところが、この信頼の厚い名ドクターに一大スキャンダルが発覚!なんと、患者に対して巧妙な詐欺行為を働いているというのだ。その手口は、寄生虫駆除を装って患者を油断させて近づき、不意にかじりついて体表の粘液を食べてしまうというもの。しかも信用失墜を防ぐため、犯行のタイミングも周到に見極めていることが判明!さらに、本物そっくりの「ニセ医者」まで登場。驚きの治療テクニックと知られざるウラの顔を持つ海の名ドクターに迫る。

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取材こぼれ話

海の名ドクター!ホンソメ先生の正体 編

最新研究で明らかになるホンソメ先生の裏の顔

「ホンソメワケベラは他の魚の寄生虫を食べて共生する魚」小学校の教科書にも載っているこの話。聞いた事がある方も多いかもしれません。私も以前から知ってはいたものの、有名すぎて、取材対象としては意識して来ませんでした。ところが本当にネタ探しに行き詰まったある日、背に腹は代えられずホンソメワケベラについて下調べを始めました。たとえ陳腐な話でも、丹念に映像化すれば、何とか番組にできるかも知れない。そんな風に考えたからです。しかし、ふたを開けてみるとビックリ!ホンソメワケベラが、「マッサージをサービスする」とか、「他の魚に巧妙な詐欺を働く」とか、「ある種の認知テストではチンパンジーより成績が良い」とか、常識を覆すような内容の論文が、最近次々と出ていたことがわかったんです!まさに足元に金脈を掘り当てたような気分。夢中で企画書を書き上げました。

研究者・職人の情熱と努力に脱帽!

番組化を決めた私は、本格的に専門家への取材を始めました。特にお世話になったのはホンソメワケベラ研究の第一人者・中京大学の桑村哲生博士と、広島大学の大学院生(※取材当時)・藤澤美咲さん。お二人の沖縄での調査に同行させていただきました。一日に何時間も海を泳ぎ、魚の行動を追う地道な調査。こうした膨大な努力のもとに魚の生態は明らかになっていくんだなと、しみじみと実感しました。様々な貴重なシーンを撮影することに成功したのは、お二人のご協力のおかげです。もう一組、今回大変お世話になったのは、ある食品メーカーの皆さんです。番組で行った実験のため、ホンソメワケベラそっくりのカマボコを試行錯誤の末に作ってくださいました。このカマボコ、どんな実験に使ったのか?どうぞお楽しみに!