匠の技で生きる!里山のもふもふ鳥エナガ

第541回「匠の技で生きる!里山のもふもふ鳥エナガ」

2018/3/18(日)午後7時30分~

もふもふの姿が女子に大人気!日本の森に暮らすかわいい小鳥、エナガが主人公。
大きさ14センチ、体重わずか7グラムという小さな体から、驚くようなワザをいくつも繰り出す。

その一つが、ズバ抜けた飛行能力。飛ぶ方向を一瞬で変えるクイックターンで木の枝の裏側にいる虫を見つけたり、空中でピタリと止まるホバリングで、幹から染み出た樹液をなめたり、林の中を巧みに飛び回って食べ物を探し出す姿は、まるで軽業師のようだ。

早春のまだ寒い時期に、エナガは他の鳥たちより一足早く子育てを始める。この時に見られるのが巣作りの職人技。クチバシをミシンのように小刻みに動かしてクモの糸でコケを縫い合わせ、巣の外壁を作り上げる。さらに、内装にも職人ならではのこだわりが。鳥の羽毛をなんと二千枚も集めて敷きつめるのだ。完成した巣は、まるで羽毛布団のようにポッカポカ。防寒対策万全の手の込んだ巣を作り、あえて寒い時期にヒナを育てることで、天敵のヘビが冬眠から目覚める前に子育てを終わらせてしまう作戦なのだ。

ヒナがかえると親鳥は食べ物探しに大忙し。主な獲物はガの幼虫のシャクトリムシ。天敵に見つからないよう木の枝そっくりに化けているが、エナガはまるで魔法のように瞬時に見つけ出し、次々に捕まえていく。実は枝に着地した瞬間、振動でシャクトリムシが、わずかに揺れるのを目ざとく見つけているのだ。ヒナが巣立つのは、まだまだ肌寒い4月下旬。子ども達には、かわいい防寒術がある。それが「エナガ団子」。互いにぎゅうぎゅうにくっついて枝に並ぶことで、体の熱が奪われるのを防ぐのだ。かわいさ満点!驚きの技で里山を生き抜くエナガに迫る。

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取材こぼれ話

匠(たくみ)の技で生きる!里山のもふもふ鳥エナガ 編

カメラマン泣かせの鳥・エナガ

日本では2番目に小さい鳥、エナガ(※ちなみに一番小さいのはキクイタダキ)。撮影を始めたのは寒さの厳しい2月ごろ。エナガは卵を産む栄養をつけるために食べ物探しに熱心です。とにかく休む間もなく枝から枝へと飛び移り食べられるものを探します。体が小さいうえに素早い動き。撮影は困難を極めました。姿を見つけてカメラが捉えた!と思ったら、ピントがあってなかった…なんてことも。丸い体はとってもキュートなのですが、カメラマン泣かせの鳥でした。

羽のくすみは働き者の証

エナガのヒナが巣立つのは4月下旬ごろ。子育てを始めたころには白くてまん丸だった親鳥も、この頃には色がくすんで羽もバサバサ。まるで別の鳥のよう!3週間近くかかる巣作りに加えて、ヒナがかえったら夜明け前から日没まで、食べ物を探し回って何百回と巣に運んでいるわけですから無理もありません。巣立ってから2週間ほどすると、子どもは少しずつ自力で食べ物をとるようになります。この頃になるとエナガの夫婦も、羽づくろいをして休憩する姿が多く見られるように。ようやく育児も一段落して、のんびりできる時間が増えたみたいです。お父さん、お母さん、おつかれさまです!