キバで戦う!クワガタバチ

第538回「キバで戦う!クワガタバチ」

2018/1/28(日)午後7時30分~

昆虫写真家の海野和男さんが、クワガタによく似た奇妙なハチがいると聞きつけ、赤道にほど近いアフリカ中部のカメルーンへ。高温多湿な熱帯雨林は、色とりどりの美しいチョウや、風変わりな虫がたくさんすむ昆虫王国。豊富な昆虫たちを獲物にするのが、狩りバチの仲間。実に千種類以上が見られる狩りバチの宝庫なのだ。地面に掘った巣穴にせっせと獲物を運び込むのは、ジガバチやアナバチ。獲物を狩る際に使うのが、毒針だ。獲物の神経に刺して麻ひさせ、生きたまま動けなくする。狩りバチは獲物に卵を産みつけ、穴を閉じて飛び去ってしまう。やがて、ふ化した幼虫は巣穴の中で新鮮な獲物を食べて成長する。そんな狩りバチの中でも極めつきの変わり者が、クワガタそっくりの巨大なキバを持つオオキバドロバチ。海野さんのお目当てのハチだ。メスは泥を使ってツボのような巣を作り、幼虫の成長に合わせて獲物を運び続ける。狩りバチの中でも、際立って手厚い子育てだ。しかし、その隙をうかがうものがいる。ツボの巣の外から、細長い針を土の壁に突き通し、卵を産みつける寄生バチだ。ふ化するとオオキバドロバチの幼虫やその食べ物の虫を食べて成長する。メスは、こうした恐ろしい敵を追い払い、幼虫がさなぎになる直前まで献身的に子育てをする。やがて、さなぎが羽化する頃になると、オオキバドロバチのオスが巣にやって来る。オスたちは、巣から出てくるメスを求めて争いを始める。大きなキバを武器に組み合って激しく戦うさまは、まさにクワガタ。そして、ライバルを投げ飛ばし、巣に陣取ったオスを待ち受けていたのは、衝撃の結末だった! “クワガタバチ”の世にも奇妙な暮らしに迫る。

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取材こぼれ話

キバで戦う!クワガタバチ 編

カメルーンにもあった「浸水林」

森の小道を行くと、道が一段高くなり、その下に不思議な空間が広がっているところがありました。根元から数メートルの高さまで、気根(空気中に出る植物の根)のようなものに覆われた木が何本も立っています。その先には川がありました。ここは浸水林(季節によって水没する森)に違いない!水没した様子を是非見たいと、雨の後に行ってみました。ところが、手前の谷状になったところが池になっていて先に進めず…。いつか真相を確かめて見たいものです。

なんじゃこりゃー! へんてこりんな「ガ」たち

昆虫の宝庫、カメルーン。昼間は美しいチョウが飛びかいますが、夜はガの世界。その姿のすごいこと。何度も「なんじゃこりゃー!」と叫ばざるを得ませんでした。