住まいは東京!戦うアイドル カイツブリ

第522回「住まいは東京!戦うアイドル カイツブリ」

2017/9/10(日)午後7時30分~

今年で開園百周年を迎えた東京・井の頭恩賜公園。

愛くるしい姿で訪れる人々を魅了する公園のアイドルが、全長25センチほどのかわいい水鳥・カイツブリだ。都会の真ん中ながら、全国的に数を減らしているカイツブリを間近で観察できるとあって大人気なのだ。

春、カイツブリは恋の季節を迎える。この頃起きるのが激しい縄張り争い。実は、カイツブリはとても気性の荒い鳥。かみ付いたり翼で殴りあったりと、激しいバトルが繰り広げられる。縄張りが決まると、巣作りを開始。普通、カイツブリはヨシ原などに隠れて巣を作るが、井の頭公園では池に張り出した枝の上に丸見えの巣を作る。なので、子育ての様子も詳細に観察することができるのだ。

しかし、丸見えの巣での暮らしには苦労が多い。卵やヒナを狙ってサギやカラスやヘビなどが次々に襲来するのだ。親鳥は自分より大きな敵に懸命に立ち向かい、追い払おうとするが、隙をついてヒナや卵を襲われてしまうことも少なくない。

なぜ、わざわざ危険な池で子育てをするのか?その理由は、外来魚の存在。今、日本の各地でブルーギルやブラックバスなどの外来魚が、カイツブリの食べものとなる小魚やエビを食べてしまうことで、カイツブリが暮らせる場所が年々少なくなっている。そんな中、井の頭公園では、数年前から外来魚の駆除が行なわれており、カイツブリにとっては、東京都内に残された貴重な生息地となっているのだ。

番組では、天敵の脅威にさらされながらも、必死に戦い、ヒナを守り育てる親鳥の姿に密着。大都会の片隅で、人々に見守られながら命をつなぐカイツブリの意外な暮らしに迫る。

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取材こぼれ話

住まいは東京!戦うアイドル カイツブリ 編

近くて遠い 井の頭公園

今回の撮影地は、東京の井の頭恩賜公園。住みたい町ランキングで常に上位にランクインする人気の街・吉祥寺の駅から徒歩5分ほどの都会のど真ん中の公園です。私(ディレクター)の家からは、電車で1本。気軽に通える場所だと思っていたのですが…そんな甘い思いを打ち砕いたのが、連日の満員電車。取材現場に向かう時間がちょうど通勤、通学ラッシュともろかぶりだったのです。自然番組の撮影とは思えない、連日人の波をかいくぐり撮影現場へ向かう日々でした。

井の頭公園のカイツブリ・マイスター

今回の撮影でお世話になった田中利秋さん。井の頭公園で20年近くカイツブリの観察を続け、オス・メスを見分けられる唯一の御方。その方法を聞いて驚きました。

まずはペアの個体識別。カイツブリはオス・メスそっくりなので、個体によって差が出やすいクチバシの白い色の部分で識別するんだそうです。そしてあとは、ひたすら産卵を待つのみ!卵を産んだ方がメスというわけです。そろそろ産卵かな?と思ったら巣のそばで何時間も見守るんだとか。感服致しました!

人気の街はカイツブリにも人気だった!

全国で数を減らしているカイツブリ。しかし、井の頭公園にやってくるカイツブリの数は減るどころか、右肩上がり。今年はここ十数年で最も多い数でした。なので、縄張り争いも頻繁に起こります。でも、どうしてカイツブリたちは、都会のど真ん中の井の頭公園の池にわざわざ集まるのでしょう?その理由を探ると、日本中の池や沼が抱えるある問題が見えてきました。詳しくは…ぜひ番組をご覧下さい!