ミーアキャット 母と娘のオキテ

第517回「ミーアキャット 母と娘のオキテ」

2017/8/6(日)午後7時30分~

アフリカ南部に広がるカラハリ砂漠。11月、半年以上雨が降らない乾期のまっただ中。朝、ミーアキャットの家族が次々と巣穴から出てきて日光浴する。立ち上がっても30?ほど、愛きょうたっぷりの姿だ。両親とその子どもたちからなる15匹ほどの家族だが、厳しいオキテがある。子どもを産めるのはリーダーである母親1匹だけ。娘たちは大人になっても出産が許されず、母親の赤ちゃんを育て続けなければならないのだ。驚くべきことに、娘たちは一度も出産したことがなくてもお乳が出せる。さらに子どもたちと一緒に狩りに出かけ、獲物を分け与える。毒ヘビのコブラや大トカゲなどの恐ろしい天敵から命懸けで子どもたちを守るのも、娘たちの仕事だ。中でも長女は家族一の働き者。敵が現れたときには先頭に立って戦い、家族みんなから頼りにされている。ところが繁殖期が始まると異変が起こった。長女がひそかによそのオスと会ったことが発端となり、家族から追放されてしまったのだ。長女は、過酷な放浪生活を余儀なくされる。安全な居場所を失い、食事もままならない長女。その体は日に日にやせてゆく。こうして家族から追放され、そのまま一生を終えてしまうメスも少なくない。だがそんな逆境を乗り越え、新しい家族を築くメスもいる。過酷な環境を生き抜くため、厳しいオキテを編み出したミーアキャット。母と娘との絆に焦点を当て、そのふしぎな生き方に迫る。

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取材こぼれ話

ミーアキャット 母と娘のオキテ 編

世界最大級の研究!支えるのは学生たち

今回撮影を行ったのは、南アフリカの広大な研究施設の敷地。ミーアキャットはなぜ独特の群れの仕組みをつくるのか? ここでは20年以上も前から調査が続けられています。研究を支えているのが、世界中から集まる学生たち。1年以上もここに住み込み、群れの行動を観察したり体重を量ったりと基礎的なデータをとっています。これまで何と3,000匹以上ものミーアキャットの一生分の体重の変化が記録されています。世界の野生動物の中でも、最も詳細に研究されているものの一つと言えるでしょう。番組でご紹介する生態は、この地道な調査の積み重ねからわかってきたことなのです。

大追跡!群れを追い出された長女

ロケも半ば過ぎ、群れの長女が群れを追い出されてしまいました。長女はいったいどうなってしまうのか?その撮影に集中します。ところがなんとも運の悪いことに、長女につけていた発信器が故障してしまったんです。仕方なく、毎日広い乾燥地帯を歩き回って探しました。そしてなんとか発見すると、今度は見失わないよう懸命に追跡。日中40度近くまで気温が上がる砂漠での追跡は、それはそれは大変なものでした。こうした苦労の甲斐あって、放浪中のメスの意外な姿を、次々と目撃することができたんです。こうして撮影できた母と娘の物語、ぜひご覧ください!