巣を守れ!アマゾン 鳥の大作戦

第493回「巣を守れ!アマゾン 鳥の大作戦」

2017/2/19(日)午後7時30分~

南米ペルー、アマゾン川の源流域は1000種近い野鳥が暮らす鳥の楽園です。中でも大繁栄を遂げているのが今回の主役、ツリスドリ。大きさ25?。真っ黒な全身に、鮮やかな黄色い模様と澄んだ青い目が美しく映えます。地上30?、周りが開けた高い木の上に、まるで団地のようにまとまって巣を作るのが特徴です。巣はアマゾン屈指の安全性を誇り、大繁栄を支えています。巣作りはメスの仕事。クチバシをまるで編み針のように巧みに使い、1万本もの植物の葉を丁寧に編み込んでゆきます。20日ほどかけて完成。深さ40?ほどの細長い袋状の巣の中でヒナを育てます。巣は大人の人間が2人で引っ張っても破れないほど頑丈。鳥の卵が大好物のサルにしても、巣の中の卵を取り出すのは難しいことです。圧巻は、毒針を持つハチを用心棒として利用する秘策。ハチの巣の周囲に自分たちの巣を作ることで、天敵のサルが近づくのを防いでいるのです。二重三重の安全対策が施されたツリスドリの“団地”。ところがある日、こうした策が全く通用しない相手がやって来ます。巨大なクチバシを持つ大型の鳥、オオハシです。頑丈な巣もクチバシで壊してしまう恐ろしい敵。これを撃退するのが、巣作りにも子育てにも参加しないオスたちでした。普段は巣作り中のメスを求めて戦ってばかりいますが、いざとなると一致団結。自分たちより大きなオオハシに勇敢に立ち向かいます。オスたちが巣に常駐するおかげで、強力な守りがおのずと生まれていたのです。驚きいっぱい、知恵いっぱい。鳥たちの命をつなぐ大作戦に密着します。

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取材こぼれ話

南米ペルー・アマゾン源流部 編

超危険! 樹上の招かれざる客

今回の主人公・ツリスドリが巣を作るのは高い木の枝先。地面から見上げるだけでは、生態を詳しく観察することができません。そこで活躍したのが、工事現場でよく見かける鉄製の足場。これを何段も重ねて高さ25mにもなる「やぐら」を建設。最上段の足場を葉っぱなどでカムフラージュして身を隠しながら撮影することにしました。早朝、重たい機材を背負って狭いハシゴを昇り、夕方まで高いやぐらのてっぺんにこもりっきり・・・という過酷な撮影の日々が始まります。

朝、木々がうっそうと生い茂るジャングルの中はほとんど風が吹かず、蒸し暑さばかりが体にこたえます。しかしやぐらの上は森のてっぺん。地面とは比べ物にならないくらい心地よい空気が流れています。苦労してハシゴを昇った「ごほうび」ですが、それも早朝のわずかな時間だけ。日が高くなるにつれて気温はみるみる上昇、撮影場所はあっという間に蒸し風呂状態になってしまいます。

その頃やってくるのが招かれざる客、ツリスドリの巣の近くに営巣するハチたちです。なんと私たちがかいた汗に含まれる塩分をなめにやって来るんです。腕や背中をわがもの顔で歩き回るハチたち。くすぐったくて仕方ありませんが、間違って手で払おうものなら激痛の一刺し。私たちにできるのは、飛び去ってくれるのをじっと待つのみでした。

ハチに水をスプレーすると嫌がって飛び去る、というスゴ技(?)を偶然発見してからは心穏やかに過ごせましたが、それまではハチの恐怖と闘いながらの恐ろし〜い撮影だったんです。