走れ!走れ!“道路”に生きる珍獣

第462回「走れ!走れ!“道路”に生きる珍獣」

2016/6/5(日)午後7時30分~

長〜い鼻に、つぶらな瞳。手のひらサイズの超かわいい珍獣ハネジネズミ。アフリカ・ケニアのサバンナに暮らしています。姿はネズミに似ていますが、アフリカで独自に進化した「アフリカ獣上目」と呼ばれる動物の仲間で、ネズミよりもむしろゾウに近いという珍獣中の珍獣です。

ハネジネズミが暮らすのは、サバンナの草原に張り巡らされた「道路」。草を刈って作った幅10センチほどの道が何本もあり、総延長は100メートル以上になります。直線道路に急カーブ、さらにT字路。草が覆い被さり、まるでトンネルのような道路もあります。人間顔負けの複雑な道路網です。1日中この道路を歩き回りながら、昆虫を探して食べるハネジネズミ。眠るのも道路の上です。常に見通しのいい場所にいるのは天敵から逃れる秘策なのです。恐ろしい天敵・イワオオトカゲが接近すると・・・ハネジネズミは猛スピードでダッシュ!直線道路で加速し、絶妙なコーナリングでスピードを落とさずカーブを通過。最後はT字路で急ターンを決め、横道に逃げ込んで相手の追跡をまきます。最高スピードは秒速5メートル。道路網をフル活用して身を守っているのです。

そんなハネジネズミにとって大事な日課が道路整備です。路上に障害物があると走行の邪魔になり、命取りになります。鳥が邪魔な物を落としたり、大きなカメが道路脇の草を倒したり・・。トラブルにもめげず、粘り強く復旧させます。

今回、道路の上で育つ愛くるしい赤ちゃんにも遭遇。ひとり立ちした子どもが自分の道路を手に入れるまでのドラマに密着します。道路とともに生きる珍獣の驚きの暮らしに迫ります!

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取材こぼれ話

ケニア・赤茶けたサバンナ 編

誰も知らない!?超マイナーな珍獣

今回の主人公・ハネジネズミはアフリカでしか見られない珍しい動物。地元の人たちにもほとんど知られていません。試しに写真を見せ「この動物は何といいますか?」と聞いてみても・・。圧倒的に多いのが「ネズミ」という答えでした(番組でも紹介しているようにネズミではありません)。なかには「ウサギ」や「リス」というものありました。深い森に住んでいる訳でもないのに、なぜこんなに認知度が低いのだろう?本当に不思議でしたが、撮影を始めてすぐに納得。こちらがよほど慎重に近づかないと、警戒して瞬時に隠れてしまうんです。そう、この逃げ足の速さこそがハネジネズミの真骨頂。超高速ランナーが道路網を駆使して見せる驚きの逃走劇を、番組でたっぷりとご紹介します。

“ちょっと待って!”撮影を邪魔するものは・・・?

ロケ現場で最も私たちを苦しめたもの。それはトゲだらけのアカシアの低木です。特に、しゃがみ込んで撮影するカメラマンは常に危険と隣り合わせ。長さ2〜3センチもある鋭いトゲが、身動きするたびに服の上から刺さり、腕を引っかきます。移動中もしばしば服に引っかかり、外すのは一苦労。もとい二苦労、いや三苦労はありました!このアカシアの木、現地の人たちには「ちょっと待っての木」と呼ばれているといいます。まさに、言い得て妙のネーミング!と痛い中でも感心しきりでした。