強くなれ!風の山のラクダ

第459回「強くなれ!風の山のラクダ」

2016/5/15(日)午後7時30分~

主人公は、南米に住むラクダの仲間グアナコ。かわいい顔とは裏腹に、屈強な体をもつ南米最大級の草食動物です。舞台は、アンデス山脈の南端。南極に近く、世界屈指の強風地帯として知られています。初夏、恋の季節を迎えたオスたちは、壮絶なバトルを繰り広げます。口からツバを飛ばしてライバルを威嚇。さらに、最高時速60キロで疾走。1時間近くも追いかけっこを続けます。最後は蹴ったりかんだりの激しい戦いに発展!その勝負に勝った強いオスだけが子孫を残す権利を得ます。激しい恋のバトルこそ、グアナコの強さの源なのです。
今回、取材班は、天敵ピューマとの攻防を目撃!ネコ科の大型肉食獣のピューマは、警戒心が非常に強く、人前にはほとんど姿を現さない幻のハンターです。「アンデスの王者」と賞されるピューマとグアナコの手に汗握る対決の一部始終を撮影することに成功しました。
さらに今回、グアナコの赤ちゃん誕生の瞬間にも遭遇。生まれてすぐに立ち上がり、母親について歩き回るたくましい赤ちゃん。しかし、数々の試練が赤ちゃんを待ち受けています。アンデス山脈では、1日で四季がめぐると言われるほど天気が激しく移り変わります。時には夏でも雪が降るほどです。さらにピューマにとって、か弱い赤ちゃんは格好の獲物です。グアナコの赤ちゃんのおよそ4分の1が、生まれてわずか半月のうちに命を落とします。アンデスの厳しい大自然で、生と死が交差するグアナコの波乱万丈の生きざまを見つめます。

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取材こぼれ話

アンデス山脈・パイネ国立公園 編

毎日が台風!?世界有数の強風地帯

今回の撮影地は、南米アンデス山脈の南の端、チリのパイネ国立公園です。日本からは、ほぼ地球の裏側にあたり、往復の移動だけで1週間もかかる辺境の地。南極に近く、夏でも気温は氷点下まで冷え込みます。さらにやっかいなのが、山から吹き下ろす強風です。秒速20メートルという台風並みの風が日常的に吹き荒れているため、歩くだけでも一苦労。日本から持参した撮影用のテントもすぐに吹き飛ばされてしまい全く役に立ちませんでした。映像がぶれないよう、必死にカメラを押さえつけながらの撮影。ひどい砂ぼこりで、目はしょぼしょぼ、鼻ものども痛めてしまいました・・・。

生と死が交差する厳しい現実

撮影を行った12月は、ちょうどグアナコたちの出産シーズン。新たな命が誕生する瞬間を数多く目撃し、感動に浸っていたのもつかの間。厳しい自然の現実を目の当たりにすることになりました。天敵ピューマが毎日のようにグアナコの群れに襲いかかり、か弱い赤ちゃんを餌食にしていくのです。警戒心が強く、姿を見ることすら難しいと言われているピューマ。私たち取材班は、ピューマの姿を撮影できる充実感と、生まれて間もないグアナコの赤ちゃんが命を落とすことへの悲しみの、両方の感情を抱きながら撮影を続けました。生と死が交差する厳しい現実の世界、ぜひご覧ください。