毒魚だョ!全員集合 ゴンズイ玉

第441回「毒魚だョ!全員集合 ゴンズイ玉」

2015/12/13(日)午後7時30分~

本州から沖縄にかけての沿岸で見られるナマズの仲間の海水魚・ゴンズイ。胸びれと背びれの根元に猛毒のトゲを持ち、刺されると体質によっては死に至ることもあります。釣り人からは厄介者として敬遠される魚ですが、驚くべき得意技があります。それは、幼魚時代に群れで行う行動。ゴンズイの幼魚たちが作る群れは、互いに体が触れるほど密集し、玉のようになることから「ゴンズイ玉」と呼ばれます。ゴンズイ玉は、食事の時に威力を発揮します。群れ全体が海底を転がるように進み、群れのメンバーそれぞれが順番に口で砂地を探っていきます。こうして、砂のなかに潜むゴカイなどの生きものを捕らえるのです。群れは密集状態を保ったまま食事を続けられるため、安全と食欲とを同時に満たすことが出来ます。さらに、ゴンズイ玉が見せる圧巻の行動は天敵対策。大きな魚などが近づくと、群れは突然めまぐるしく形を変え始めます。あるときは“竜巻”、またあるときは“妖怪”……変幻自在に姿を変える群れ。こうして天敵を圧倒し、惑わす作戦です。ゴンズイ玉の統率のとれた行動の数々。その秘密は、群れの成り立ちに隠されています。実は、ゴンズイ玉を構成するメンバーは全員が同じ親から生まれた兄弟。同じように成長しピッタリと大きさのそろった兄弟だからこそ、息の合った動きが可能なのです。舞台は、高知県・柏島。サンゴ礁に色とりどりの魚が集う絶景の海で、ゴンズイ玉の秘密にとことん迫っていきます。

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取材こぼれ話

高知・柏島の海 編

幻のシーンを求めて

今回の主人公・ゴンズイは、毒をもち、しかも「ゴンズイ玉」と呼ばれる密集した群れを作り、鉄壁の守りを固めています。そんな魚を襲う生きものなど、あまり多くないといいます。しかし、ゴンズイ玉がいかに「鉄壁」であるかを描くには、天敵が彼らを襲うシーンがどうしても必要です。その滅多に見られないシーンを撮影するには、どうすればよいのかというと・・・特に奇策があるわけではありません。撮影チームが何度も潜り、千載一遇のチャンスを待つしかないのです。とはいえ、海に潜る時間は、背中の空気タンクの容量しだい。ゴンズイがよく見られる水深10m付近では、1回の潜水で1時間ほどしか潜れません。その上、一度潜ったあとは潜水病を予防するため、船の上や陸でしばらく休まなければならないんです。他にも、海況や天候が悪ければ潜水ができないこともしばしば。こうした条件のもと、およそ1か月かけて、撮影チームは「幻のシーン」の撮影に成功しました。しかも、2回も!襲った魚が、毒のトゲが刺さったのか、口をモゴモゴさせる珍しいシーンに加え、幼い子どもたちのゴンズイ玉が、魚を振り切って逃げるという、手に汗握るシーンも撮影することができたんです。ご協力頂いた地元のダイバーの皆さん、そして漁協の方々に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました!