驚き!発見!ヤドカリの素顔

第422回「驚き!発見!ヤドカリの素顔」

2015/8/2(日)午後7時30分~

日本全国の磯に暮らすヤドカリは、子どもたちの人気者。そのなかで最も普通に見られるのがホンヤドカリです。殻を含めた大きさは最大で3?ほどで、海藻や魚の死骸などなんでも食べる雑食性。天敵が近づくと全身を殻に引っ込め、大きな右のハサミでしっかりとフタをします。どう猛な肉食魚のウツボでも襲うことは不可能。この鉄壁の防御を武器に大繁栄を遂げていたのです。

ところが、唯一の難題があります。それは大きく成長するために欠かせない引っ越しです。実は、ヤドカリの住まいに適した状態のいい貝殻は意外と少ないのです。そのため、新たな貝殻が欲しいヤドカリは他のヤドカリを強引に追い出して手に入れるしかありません。そのため、壮絶な貝殻争奪戦が繰り広げられるのです。

さらに、独特な恋の作法にも迫りました。オスは気に入ったメスをハサミでつかみ、数日間持ち歩きます。メスがオスを受け入れるタイミングを逃さないよう、キープしておく作戦です。ところがそこに、メスを横取りしようとするライバルが登場。2匹のオスは、大きなハサミからパンチを繰り出して戦い、メスを取り合います。争いに勝つのは、たいてい最も大きいオス。引っ越しのため、貝殻を奪い合って戦うのは、大きいほうが子孫を残しやすいためだったのです。卵から誕生する幼生は、親とは全く姿が異なります。1か月ほど海中を漂いながら成長し、その後、海底で大人と同じ暮らしを始めます。番組では、日本各地の珍しいヤドカリも紹介。身近な生きものなのに知らないことが満載!ヤドカリの驚きの素顔に迫りました。

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取材こぼれ話

伊豆大島 溶岩の磯 編

足元注意!磯のロケ

今回、主に撮影を行ったのは伊豆大島。島の中心にそびえる火山・三原山から流れ出した溶岩が海岸まで達し、ゴツゴツの磯を形作っています。この磯、とてもダイナミックで美しい風景なのですが、撮影となると、とがった岩にスネをぶつけたり、海藻で足を滑らせそうになったりと、かなり大変。特にカメラマンは、重くて高価な撮影機材を持っているので緊張感もひとしおでした。それでも、岩場のくぼみにできた潮だまりをのぞき込み、ヤドカリやウミウシ、小魚たちのかわいらしい様子を発見すると嬉しくなります。一見、荒々しい磯ですが「生きものたちにとって命のよりどころなんだ」と実感することができました。

ありがとう!「ヤドカリスト」の皆さん

番組の主人公「ホンヤドカリ」の他にも、日本にはおよそ200種ものヤドカリが暮らしています。その中でも、なかなか見ることのできないユニークなヤドカリを紹介するため、伊豆大島と北海道函館市、そして沖縄県石垣島を訪ねました。ここで撮影を支えてくれたのが、ヤドカリ大好き!な「ヤドカリスト」のダイビングガイドさんたち。長年培った経験を生かしてロケクルーを案内して下さいました。今回、知られざるヤドカリの貴重な姿をご紹介できるのは「ヤドカリスト」の皆さんのお力があってこそ。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!