シリーズ里山の宝石 美しきファイター!国蝶(こくちょう)オオムラサキ

第416回「シリーズ里山の宝石 美しきファイター!国蝶(こくちょう)オオムラサキ」

2015/6/21(日)午後7時30分~

日本の国蝶(こくちょう)オオムラサキ。瑠璃色に光り輝く羽を持つ美しいチョウです。日本各地の里山で見られます。オオムラサキには、その華麗な見た目からは想像もできない意外な素顔があります。天敵やライバルたちを相手に激しく戦う、里山屈指のファイターなのです。山梨県北部、八ヶ岳のふもとに広がる日本最大級の生息地で、オオムラサキの一生に密着。美しきファイターが背負う、戦い続けなければならない「宿命」を解き明かします。

オオムラサキの幼虫は、雑木林のエノキの葉だけを食べて成長します。つぶらな目と頭の角が特徴の愛らしい幼虫です。雑木林は幼虫にとって天敵だらけ。細長い口で獲物の体液を吸う肉食性のカメムシは、そんな恐ろしい敵のひとつです。カメムシが近づいてくると、オオムラサキの幼虫は真っ向勝負を挑みます。頑丈な口でカメムシの脚にかみつき、みごと撃退に成功しました!幼虫のときから、すでにファイターとしての片鱗を見せているのです。

夏、幼虫は美しいチョウへと姿を変えます。すると、ファイターとしての本領を発揮。食べものの樹液をめぐり、怖いスズメバチや王者カブトムシとも互角に戦います。武器は力強い羽の羽ばたき。オオムラサキは他のチョウよりも胸が分厚く、羽ばたくための筋肉が発達しているのです。さらに今回、取材を進める中で、「オオムラサキが天敵の鳥を追いかける」という驚きの情報を入手しました。粘り強い取材の末、ついにその光景を撮影することに成功。テレビカメラ初のスクープ映像です!しかし、いったいなぜオオムラサキそんな危険な行動をとるのでしょうか?そこには意外な秘密がありました。

※画像クリックで拡大します

取材こぼれ話

山梨県北杜市長坂町の里山 編

目撃!鳥を追うオオムラサキ

今回、地元の人たちから「オオムラサキが鳥を追う」という驚きの証言を聞いた私たちは、なんとかその光景を撮影しようと挑戦しました。時期は、オオムラサキの活動がピークを迎える7月。目撃情報のあった雑木林に向かい、上空にカメラを向けてひたすら待ちました。オオムラサキが飛び交うのは、雑木林の中の、開けた空間。メスを追うオスのオオムラサキはたくさん見られるのですが、なかなか鳥の追跡にはお目にかかれません。お目当ての光景を目にすることなく、時間だけがむなしく過ぎていきます。地元の目撃者の方も、長年オオムラサキを見てきたなかで、その光景を見たことがあるのは1、2回とのこと。日がたつにつれ、少しずつ雑木林を舞うオオムラサキの数も減っていき、不安と焦りに襲われます。が、しかし、挑戦を開始して10日、ついに、その時が訪れました。木に止まっていた鳥が飛び立ち、オオムラサキが飛び交っていた空間に飛んでいきました。そのとき、一羽のオスのオオムラサキが反応して飛び立ち、鳥の後を追いかけました!
待ちに待った瞬間です。これまでテレビカメラで撮影されたことのないスクープでした。さて、その追跡、いったいどのようなものなのか、詳しくは番組でご覧下さい!