幻のアザラシ!洞窟で秘密の子育て

第398回「幻のアザラシ!洞窟で秘密の子育て」

2015/2/8(日)午後7時30分~

世界にわずか500頭しかいない絶滅危惧種、チチュウカイモンクアザラシが主人公。数が少ない上に、ほとんどの時間を広大な海で過ごしているため、詳しい生態はほとんど分かっていません。大西洋に浮かぶ絶海の孤島、デゼルタス島を舞台に、謎に包まれた暮らしぶりに迫りました。

最大の謎は子育て。海からしか近づけない洞窟の奥深くで子どもを育てるため、これまでほとんど観察されたことがないのです。チチュウカイモンクアザラシは、かつては地中海から大西洋にかけて数多く生息し、砂浜で子育てしていました。しかし、毛皮や脂を目当てにした乱獲で数を減らし、人の目に付かない洞窟の奥深くに隠れて子育てをするようになったといいます。

今回、研究者の協力を得て、洞窟内に無人カメラを設置。母親たちが互いに助け合う驚きの行動を撮影することに成功しました。さらに、荒波の中で行われる赤ちゃんの水泳訓練にも密着。生後わずか2週間ほどの赤ちゃんに泳ぎを教え込みます。メスたちはここでも力を合わせます。1頭の赤ちゃんに対し、3頭ものメスたちが協力して熱血指導を行うんです。子どもたちは、生後8ヶ月ほどでひとり立ち。互いに遊びながら泳ぎの技術を磨き、恋のテクニックも身につけ、大人へと成長していきます。

絶滅の淵に追い込まれながら、力を合わせて生きる幻のアザラシの物語です。

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取材こぼれ話

大西洋に浮かぶ無人島 編

無人島のエコライフが肌に効く!

今回のロケ地は大西洋に浮かぶ無人島。さぞや原始的な暮らしをしているのだろうと思いきや、お世話になった国立公園のレンジャー小屋は快適そのもの。太陽光発電の電気でテレビも見られるし、2週間に1度供給されるプロパンガスで毎日温かい食事もできます。さらに、拾ってきた流木でバーベキューをすることも!しかし、乾燥した島ゆえ水には苦労しました。もちろん水道はありません。食器の下洗いやトイレの洗浄には海水、調理用には塩分を取り除いた海水、洗濯やシャワーには貯蔵している雨水を利用します。必要最低限の量を使っているつもりでも、雨水タンクが底をつくことしばしば。すると海が大きなお風呂代わりになるのです。そんな生活を続けていたところ、どうしたものか肌がつるつる、しっとりしてきました。地球に優しい生活は、そこに暮らす生きもの、ひいては人のお肌にも優しいようです。

番組取材の陰の立役者

今回の番組のあちこちに登場するたくましい男性たちがいます。チチュウカイモンクアザラシの生息域を守る国立公園のレンジャーです。レンジャーは2週間交代で島に滞在し、島の警備の他、島を訪れる研究者の補助などを行っています。無人島で活動するための豊富な知識を備えた人たちです。荒れた海に小船を漕ぎ出そうとするレンジャーの迫力ある姿は番組の中でも紹介されますが、島の険しい断崖の上でも大活躍でした。

番組の冒頭を飾る迫力ある空撮映像は無線操縦の小型ヘリコプターで撮影しました。ところが、撮影中に突風にあおられ墜落。落ちた場所は50mの崖下。貴重な映像を失ってしまったかと一時は肩を落としたのですが、なんと、公園のレンジャーが見事に取り戻してくれました!子どもの頃からヤギ飼いだったお父さんに連れられて歩くうち、険しい崖の歩き方にも精通したというマルティーニョ・ピレシュさんとジョージ・カマラさん。レンジャーが取り戻した貴重な迫力映像をぜひ番組でご覧下さい!