臆病?大胆?イノシシ徹底追跡!

第386回「臆病?大胆?イノシシ徹底追跡!」

2014/11/9(日)午後7時30分~

日本のイノシシが主人公です。最近では、農作物を食い荒らす厄介者のイメージが定着しているイノシシですが、意外なことに野生での暮らしぶりは謎に包まれています。非常に臆病な性格のため、ほとんど人前に姿を現すことがなく、観察が極めて難しいのです。そこで今回、研究者の全面協力を得て、山の中に大量の無人カメラを設置。そして、貴重な野生での行動をとらえる事に成功しました。

取材班がまず訪れたのは、人里近くにある竹林。春、イノシシは大好物のタケノコを食べるため、夜な夜な姿を現すといいます。ところが、無人カメラを設置したものの、イノシシはまったく姿を現しません。カメラを警戒しているんです。待つこと2か月、ついにイノシシがタケノコを掘る現場を撮影することに成功しました。まだ地上に芽を出す前のタケノコを驚異的な嗅覚で見つけ出し、次々に掘り当てていきます。さらに、イノシシの意外な好みも明らかに!

一方、臆病なはずのイノシシが、街の中に出没する場所もあります。兵庫県の六甲山の近くでは、イノシシが住宅街に現れ、人を襲う事件まで起きているんです。その原因は、長年続けられてきた餌付け。ハイキング客などが与える人間の食べものの味を覚え、街中でゴミを漁るようになったといいます。

一年にわたる密着取材で明らかになったイノシシの知られざる素顔をご紹介します。

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取材こぼれ話

日本列島・里山の竹林 編

警戒心の強さはピカイチ!イノシシvs.取材班

今回の番組の取材をはじめたのは、2013年の春のこと。しかし、この年、イノシシは取材班を警戒して、全く姿を現さず、撮影にはなりませんでした。研究者からは「とにかくイノシシは警戒心が強いから撮影は大変だよ」と聞かされていたのですが、まさかこれほどまでとは・・・。

そして、2014年。まずは竹林のあちこちに大量の無人カメラをセット。さらに、やぐらの上にテントを設置して、徹底的に人の気配を隠します。その後は、カメラとやぐらを2か月間放置してイノシシが慣れるのをひたすら待ちました。そして、タケノコが生え始める4月。ついにイノシシが、大好物であるタケノコの誘惑に負け、竹林に姿を現わしたんです。

しかし、問題発生!イノシシに気づかれないよう、照明を使わず暗視カメラで撮影を行っていたため、カメラマン自身も、ファインダーを通さないとイノシシが見えないのです。イノシシがタケノコを掘る「バサッ!」という音だけが頼り。カメラマンは、狭いテントで悪戦苦闘しながら、暗闇のなかに溶け込んだイノシシの姿を毎晩探し続けました。途方もない苦労の末に捉えた映像の数々、ぜひ番組でお楽しみください!

イノシシと人との深〜い関わりとは?

イノシシといえば、「農作物を荒らすやっかい者」としてのイメージがすっかり定着しています。しかし、本来イノシシは、非常に警戒心が強い動物。なぜ人里の畑にまで姿を現わすんでしょうか。さらに近年では、イノシシが住宅街に出没し、人を襲う事故が発生している地域まであるんです。いったいイノシシたちに何が起きているんでしょう。 

今回の取材を通して、最も感じているのは「イノシシの暮らしには、人の営みが密接に関わっている」ということ。皆さんにとって今回の番組が、野生動物とのつきあい方を改めて考える、きっかけになれば幸いです。