超個性的!飛べない鳥キーウィの秘密

第350回「超個性的!飛べない鳥キーウィの秘密」

2014/1/19(日)午後7時30分~

世界でニュージーランドだけにくらす絶滅危惧種の鳥・キーウィが主人公。

大きさはニワトリほどで、丸々とした体つき。果物のキウイフルーツは、この鳥に似ていることから名付けられました。鳥なのに飛ぶことはできず、たくましい足で深夜の森を駆け回ります。数が少ないため、地元の人たちでさえ、ほとんど姿を見ることのない珍鳥です。

今回、ダーウィン取材班は、その知られざる暮らしぶりを克明にとらえることに成功しました。目には見えない地中のミミズを捕まえる驚異のハンティング。その秘密は、クチバシにありました!鳥のなかで唯一、クチバシの先端に鼻の穴があるため、地面に近いところでにおいを嗅ぐことができるのです。そして鋭い嗅覚で土の中のミミズを探し出します。一晩に食べるミミズはなんと100匹!

さらに、超貴重な子育ての映像も大公開。ニワトリとほぼ同じ大きさのキーウィですが、重さにしてニワトリの6倍、400グラムにもなる超巨大な卵を産みます。産卵前のメスをX線で見てみると、お腹は卵ではち切れんばかり。親鳥の体重で比較すると、キーウィの卵は鳥の中で最大です。大きな卵の中でヒナは十分に成長してから生まれてくるため、ヒナは親鳥からの世話をうけることはなく、孵化後わずか数日で自立できるのです。

ニュージーランドの人たちが愛してやまない超個性的な珍鳥・キーウィの不思議に迫ります!

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取材こぼれ話

ニュージーランド 北島 編

今は羊の国 でも昔は・・・

ニュージーランドは羊の飼育で有名な国。日本の7割という国土に、およそ3000万頭もの羊が飼われています。国民一人あたりの数では、世界一です。実際に、島を車で移動すると、窓から見える景色は放牧地と羊ばかり。驚くほど同じ景色が続きます。高台に立てば、緑の大地がずっと遠くまで見渡せ、雄大さを感じます。

でも、実はヨーロッパからの入植者がやってくるまでは、巨樹が生い茂るうっそうとした森がたくさんあったそうです。そして夜になれば、至る所からキーウィの鳴き声が聞こえてきたといいます。今でこそ絶滅危惧種となってしまったキーウィですが、昔はごくありふれた鳥だったんです。

ニュージーランドの森の今

ニュージーランドといえば「自然豊かな国」というイメージを持つ人は多いと思います。私も、今回ニュージーランドに行くまでそう思っていました。でも、ニュージーランドは多くの森を失い、数多くの生きものが絶滅し、今なお、人間や人間が持ち込んだ動物によって本来の自然が失われようとしています。

例えばニュージーランドを訪れてすぐに、街なかで見つけたかわいいハリネズミ。もともとニュージーランドにはいなかったこの動物は、野鳥の卵を狙う恐ろしい捕食者だといいます。自然保護区の森では、イタチなどの外来種を駆除するためのワナを驚くほど多く見かけました。とてもやるせない思いでいっぱいになりました。
帰国するとき、キーウィの研究者に言われた一言が印象的でした。
「日本にはまだまだ豊かな森がある。大切に守って欲しい」
日本人の一人として、重く受けとめました。