小笠原で初産卵!若きアホウドリ夫婦の挑戦

第319回「小笠原で初産卵!若きアホウドリ夫婦の挑戦」

2013/5/26(日)午後7時30分~

国の特別天然記念物アホウドリ。かつては数十万羽もいましたが、羽毛目当ての乱獲で激減、現在は世界に3000羽ほどだけが生息するだけの貴重な鳥です。しかも、その暮らしは、大きな脅威にさらされています。火山の噴火です。アホウドリ最大の繁殖地は、伊豆諸島に浮かぶ鳥島(とりしま)。この島は今も活動を続ける火山なのです。もし、子育ての時期に大きな噴火が起これば繁殖地は壊滅してしまう可能性があるんです。

そこで、2008年、山階鳥類研究所や国が中心となって、鳥島で生まれたヒナを噴火の心配のない小笠原諸島の聟島(むこじま)に移して新たな繁殖地を作る計画が始まりました。最初の年に10羽のヒナが運ばれ、人の手によって育てられ、すべてが無事に巣立ちました。

それから3年後の2011年、巣立ったヒナは若鳥へと成長し、初めて聟島に帰還。更に、ひと組が夫婦となり、ヒナ誕生の期待が一気に高まったんです。そこで、私たちはアホウドリを驚かさないよう、実物大のアホウドリの模型の中に小型カメラを埋め込んで、特殊な観察システムを開発。産卵の瞬間を待ち続けたんです。

そして去年の秋、新天地の小笠原で初となる産卵の一部始終を克明に記録することに成功しました。ところが、初めて産卵した若いアホウドリ夫婦に、予想外の事態が発生します。卵を産んだメスが突然行方不明となり、残されたオスは、なんと2ヶ月もの間、絶食して卵を温める異常事態に陥ったんです。果たして聟島で初めての夫婦となった2羽は、無事に卵を育てられるんでしょうか?若いアホウドリ夫婦が初めて挑んだ子育ての奮闘記。3ヶ月に及ぶ驚きと感動のドキュメントです!

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取材こぼれ話

小笠原諸島・聟島(むこじま)2 編

ねらいどおり!カメラの真ん前で産卵

今回のアホウドリの産卵ドキュメント。その映像の大半は、無人のロボットカメラで撮影されたものなんです。私たちは山階鳥類研究所と国の協力を得て、アホウドリを脅かさずに観察できるよう、アホウドリの模型の中にカメラを仕込んだ特殊なカメラを小笠原諸島の聟島(むこじま)に設置しました。アホウドリの繁殖のシーズン中は、聟島への上陸は許されませんが、このカメラは衛星を利用して、遠く離れた東京都内からでも遠隔操作できるんですよ。

アホウドリは、毎年同じ相手と同じ場所で巣を作る習性があります。そこで、私たちは、一昨年の秋に若いアホウドリ夫婦が寄り添っていた場所の近くにカメラを設置。同じ夫婦が戻ってくるのを待ち続けました。

その結果は、大当たり!島に戻ってきたアホウドリは、ねらい通りロボットカメラからわずか1メートルほどのところに巣を作り、卵を産んだのです。そして、産卵したアホウドリ夫婦の行動をつぶさにとらえることに成功したんです。聟島に設置したロボットカメラでなければ決して見ることができなかったアホウドリ夫婦の産卵ドキュメント、とくとご覧下さい。