武蔵野の里山 小さな狩人モズ

第296回「武蔵野の里山 小さな狩人モズ」

2012/12/2(日)午後7時30分~

埼玉県南部から東京都西部にかけて広がる武蔵野の丘陵地帯。昔ながらの雑木林や田んぼ、畑が連なる里山に、秋になるとやってくる鳥がいます。モズです。

体長は20センチ、スズメより一回り大きい程度ですが、狩りは実に豪快。高いところから虫やカエル、小魚を見つけると急降下、タカのように鋭いクチバシで一気にしとめます。時には自分の体の半分ほどもあるネズミさえ捕らえてしまう名ハンターです。

9月、モズは「高鳴き」とよばれる鋭い鳴き声をあげます。縄張りを主張しているのです。近くで別のモズの高鳴きが聞こえると、自分も高鳴きで対抗。相手が鳴き止まないようならば、徹底的に追い払いにかかります。これほど激しく縄張り争いするのは、食べ物の乏しい冬を生き抜き、春に子育てするため。
縄張りを獲得すると、モズは狩りにいそしみます。ところが捕まえた獲物を食べず、枝先に突き刺したまま置き去りにすることがしばしばあります。「はやにえ」と呼ばれるモズ独特の行動です。なぜモズは獲物をはやにえにするのか、様々な説がありますが、いまだに真相は謎です。でもはやにえは時に、飢えをしのぐ糧にもなります。

2月、春まだ浅き里山にウグイスやヒヨドリそっくりの声が響き渡ります。鳴き声の主はモズ。モズは漢字で書くと「百舌」、その名の通りレパートリー豊富な鳴きマネ名人なのです。オスは多彩な鳴き声と愛らしい首振りダンスをメスに披露して求愛、新たな命をつないでいきます。

武蔵野の里山で、謎に満ちたモズの暮らしに迫ります。

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