東京ムササビ天国!高尾山

第280回「東京ムササビ天国!高尾山」

2012/7/15(日)午後7時30分~

真っ暗な夜の森を飛び交うムササビ。リスの仲間なのに空を飛ぶ、不思議な生きものです。前足と後ろ足の間にある「飛膜」を大きく広げ、グライダーのように滑空します。たとえ目の前に巨木があっても大丈夫。器用にカーブし、いともたやすく避けてしまいます。そんなムササビの楽園が東京にあるんです。日本有数の観光名所、高尾山です。

中腹に建つ、歴史ある寺の境内。野球のグラウンドほどの広さに、数十匹のムササビがすんでいます。単独で暮らすムササビがこれほどの密度で生息するのはきわめて珍しいこと。いったいなぜ、ムササビたちはこの場所に集まるのでしょうか?
番組ではムササビたちの1年に密着。観光名所・高尾山の四季折々の景観の中にムササビたちを追いながら、楽園誕生の秘密に迫りました。ムササビたちにとって、古いお堂の屋根裏は絶好のすみか。そして境内に植えられた木々がつける花や実は格好の食べ物になっています。さらに、境内に適度な間隔でそびえる巨木は大滑空の出発点や中継点にもってこい。こうして、ムササビたちは人の作った環境をうまく利用しながら暮らしていたのです。
しかし一方で、生息密度が高いための苦労もあります。繁殖期にはメスをめぐってオスが集まり、熾烈な滑空競争が繰り広げられます。

さらにカメラは、古い木造建築の屋根裏に作られた巣に潜入。子育て中の母と子に遭遇しました。かわいい子どものハラハラドキドキの大冒険、そして感動の巣立ちの一部始終をスクープしました。

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取材こぼれ話

東京・高尾山 編

過酷!夜の高尾山

今回の舞台は、東京・高尾山。都心から電車で1時間ほどで行ける、都民にとっては「お気軽観光地」です。ジャングルやサバンナなど過酷な状況を渡り歩いてきた身としては、「楽勝ロケスポット」!と心の中でガッツポーズしていました。でも、いざ撮影が始まると…。すみません、ナメてました。正直なところ、今回はこれまでの撮影の中でも3本の指に入る過酷なロケでした。なにせムササビは神出鬼没。詳しい生態に迫ろうとすれば、夜通し見張って行動を観察するほかありません。日が昇った後も、そこから下山してわずかな仮眠をとり、日が沈む前には再び山に登る生活。さらに冬の夜は、気温は氷点下。夜の山上はお店もないので、冷え切ったおにぎりを食べて空腹をしのぐ日々。クリスマスも、春の大型連休も、ずっと暗闇の中をさまよう毎日でした。高尾山では、夜明け前から登山をする人もいるのですが、闇夜から疲れ切った顔で出てくる私たちに遭遇して、不審な目で見られることもしばしば。夜の境内で出会った方々、びっくりさせてごめんなさい。

「まさか!」の連続 ムササビの巣立ち

今回、私たちはムササビの親子に密着しました。かわいくて見ているだけで癒されたのですが、この子供が想像を超えるワンパクぶり。お母さんのいないところで、次々と事件を起こしてしまうのです。詳しくは番組でご紹介いたしますが、予想もつかない展開に、睡眠不足の撮影班はさらに振り回されることになりました。でも、ムササビ親子に密着してみると、「人間にもこんな親子いるよなあ…」と共感することもしばしば。子育ての大変さと、子供の予想外の行動は、ホントに種を越えて同じなんだなあと感じました。果たして子供の運命やいかに!?番組をお楽しみに!