奇想天外!極小ガエルの子育て術

第272回「奇想天外!極小ガエルの子育て術」

2012/5/20(日)午後7時30分~

南米ペルーの北部に広がる熱帯雨林に、親指の爪ほどしかない極小のカエルがすんでいます。名前はマネシヤドクガエル。黄色や緑、オレンジ色など極彩色の派手な姿をしています。これは、中南米に250種類以上いるヤドクガエルの仲間に見られる特徴。あえて目立つことで、天敵の鳥などに「自分が毒を持っている」ことを警告しているのです。マネシヤドクガエルがとりわけユニークなのは、子育てを夫婦で協力して行う点。世界に4千種以上いるカエルの中で、夫婦で子どもを育てるのはわずか数種だけ。しかもマネシヤドクガエルの場合、その方法も驚きです。母親が卵を産むのは植物の上など、水が全くない場所。オタマジャクシがふ化すると、父親は背中に乗せて移動します。行き先は植物の葉の付け根などに雨水がたまった小さな水場。子どもを放したあとも、父親は様子を見守り続けます。一方、母親はなぜか食事をしてばかり。ある日、父親が水たまりに来ると、子どもが父親の足をつついて空腹を訴えました。すると父親は鳴き声で母親に合図。その声を聞いてやってきた母親は、驚くべきことに、水たまりに卵を産み落としました。母親は無精卵を産むことで、食べるものもない小さな水たまりにすむ子どもに食べ物を与えていたのです!母親が食事に専念していたのは、このためでした。見た目もやることも全てが奇想天外。極小ガエルが編み出した子育て術を初公開します。

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取材こぼれ話

ペルー北部・熱帯雨林 編

一円玉よりちっちゃなカエル!

今回の主役・マネシヤドクガエルは体長わずか1.7センチほど、なんと一円玉(直径2センチ)に乗ってしまうほどの極小サイズです。昆虫以外でこれほど小さな生きものを主役として撮影するのは初めて。「果たしてうまく撮れるだろうか?」という不安と、ユニークなカエルに会える期待を胸に、撮影地であるペルーの熱帯雨林に分け入りました。

あらかじめ覚悟をしていたはずなのに、最初にマネシヤドクガエルを見たときの衝撃は忘れられません。研究者のブラウン博士が指さす先をじぃっと見ても、カエルらしき生きものは見えません・・・。と思ったら、「いたっ!」。なん植物の葉の付け根に挟まり、顔だけ出して休んでいたんです。その顔のサイズといったら、マッチの先ほど。水槽の中で飼われているヤドクガエルはあらかじめ見ていたのですが、広い森の中で見ると極小ぶりがいっそう際だちます。

この小ささに挑戦しなければならなかったカメラマン。しかも相手は跳んで動き回りますから、ピントを合わせるのがとても難しいんです。慣れないうちは悪戦苦闘していたものの、さすがはプロ。数々の驚きの生態を、鮮明な映像でカメラに収めてくれました。ちなみに番組に出てくるオタマジャクシは米粒サイズ。テレビ画面では大きく映りますが、一円玉を手に実際の大きさを想像しながら見ていただけるとより楽しんでいただけるのではないでしょうか!?

カエルも人も恐れる「24時間アリ」とは?

撮影に入るとき、現地のガイドさんから気をつけなければならないと言われていたのが、パラポネラと呼ばれる大型のアリです。別名「24時間アリ」。なぜそんな変な名前がついているかというと、噛まれてしまうと、そのあと丸一日激痛が続くため。恐怖のアゴの持ち主なのです。撮影中でもアリが長靴を登って来ていないか、つかもうとする木の幹についていないかと、チェックが欠かせませんでした。

もちろんマネシヤドクガエルにとっても、体の大きさが自分の倍ほどもあるこのアリはおそろしい強敵。人間でさえダメージが大きいんですから、それも当然ですよね。でも危機が迫ると、「カエルらしく」切り抜けます。巨大アリ対極小ガエルの緊迫する瞬間、番組でも紹介しますのでご注目を!