サンゴを大食い!パラオの巨大魚

第240回「サンゴを大食い!パラオの巨大魚」

2011/7/24(日)午後7時30分~

日本から南へ3千キロ、太平洋に小さな島々が浮かぶパラオ共和国。真っ青な海には世界屈指の豊かなサンゴ礁が広がり、魚たちの楽園となっています。そんな南国の海に、サンゴをガリガリ食べる巨大魚がすんでいます。体長1メートル以上もあるカンムリブダイです。口からせり出した頑丈な歯で硬いサンゴを一日5キロ以上も食べてしまいます。一見するとサンゴの破壊者のようですが、実はサンゴの森を守る大切な存在だといいます。カンムリブダイがかじるのは、食べやすい先端部分。成長の早い特定の種類のサンゴが伸び放題にならないため、成長の遅いものでも育つことができ、サンゴの森の豊かさにつながっていると研究者は考えています。また、カンムリブダイは岩盤に生える藻も大好物で、岩ごとかじって藻を食べます。岩が削り取られた部分は、幼いサンゴが新たに定着するのに格好のスペースとなります。こうしてサンゴの誕生と成長を支えているのです。さらに、最近、カンムリブダイのふしぎな行動がパラオで発見されました。新月間近のある日、決まった時間、決まった場所に数千匹もが続々と集まるといいます。集まったカンムリブダイは、サンゴ礁を離れ、沖へと向かいます。この謎の行動の秘密を解くカギは、サンゴ礁が育む命の豊かさに隠されていました。巨大魚とサンゴ、ふたつの命が織りなす、破壊と誕生の物語です。

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取材こぼれ話

パラオ・サンゴ礁 編

巨大魚とサンゴ 不思議な関わり

「パラオで、巨大魚が大集結する場所が見つかったらしい」という情報が入ったことから、今回の番組作りはスタートしました。パラオといえば、世界中のダイバーが憧れる魚たちの楽園!サンゴ礁が一面に広がり、カラフルな熱帯魚が舞い泳ぎます。今回の主人公である巨大魚・カンムリブダイはどんな暮らしをしているのかというと・・・、なんとサンゴをがりがりかじって一日5キロも食べてしまうんです!

撮影していると、「ガリ!」という音が海中に響きます。石のように固いサンゴを易々とかじってしまう、恐るべき破壊力の持ち主なんです。もし間違って指でもかじられたら、と思うと、ちょっと怖くなってしまいました。

それにしても南国の海の豊かさの象徴ともいえるサンゴを食べてしまうなんて・・・。と思いきや、取材を進めると、実はカンムリブダイはサンゴの助っ人でもあることがわかってきました。いったいどういうことなのか、詳しくは番組で紹介していきます!

世界で初めて発見! 巨大魚の大集会場

「数千匹のカンムリブダイが大集結する」という、世界でも例のない現象。この大発見をしたのは、パラオでダイビングガイドを務める、ある日本人でした。今回の撮影ではその方の全面協力のもと、40日間に渡って、ひたすらカンムリブダイを追い続けました。多くのダイバーたちに人気のあるナポレオンフィッシュ、マンタ、ギンガメアジ、バラクーダなどには目もくれず、朝から晩までカンムリブダイ。

しかもあるときは、ひたすらカンムリブダイのフンを撮影したり、あるときは、カンムリブダイの寝姿を撮影しようと、一晩中夜の海を潜り続けたり。不思議なもので、ずっと観察し続けていると、あのごっついカンムリブダイの顔がかわいらしく見えてくるようになりました。

そしてついにある日、そのかわいい(?)顔が大集結!しかも、まるでお面をかぶったかのように、顔が白く変身したのです!昔、一時期はやった人面魚そっくりの姿です。さすがの私も不気味に感じずにはいられませんでした。世界で初めて発見された圧巻の映像をお楽しみください!