シリーズ南アフリカの海(2)町をペタペタ!子育てペンギン

第196回「シリーズ南アフリカの海(2)町をペタペタ!子育てペンギン」

2010/6/13(日)午後7時30分~

ケープペンギンは、アフリカ大陸唯一のペンギンです。喜望峰近くの荒れる海の度重なる船舶事故で何万羽もが重油まみれになることが続き、絶滅が危惧されていますが、そんな中、人の住む町の中を繁殖場所に選ぶものがたくさんいます。ロッジのキッチン横、交通量の多い道路脇、そして下水道にも巣を作ります。番組では、ゴルフ場の脇、海へと続く坂道の途中に巣を構え、元気な2羽のヒナを育てているひと組のペアに密着しました。いつも一緒にいることの多い仲よしペア。食べ盛りの我が子のため、ペアは毎朝、長い坂道を下り、海へと狩りに出かけて行きます。日が沈む頃、今度ははちきれんばかりのお腹で、急な坂道をえっちらおっちら上って来ます。マイペースで道路中央を歩いても、人々は温かく見守ります。夕暮れ時には、ペンギンが作る車の渋滞が町のあちらこちらに。町の中で人々に温かく見守られながら暮らしています。しかし、町ではいつも車にひかれる危険もつきまといます。町から一歩出ようとすると、そこは野生の王国。砂浜から海に泳ぎだしたペンギンをオットセイが容赦なく襲います。大海原に出る前のほんの一瞬、自然の厳しさが一気に襲いかかります。それでも、食べものは海にしかありません。命からがら狩りを終え、町にもどるペンギン。町の我が家で人々の温かさを肌で感じながら、懸命に子育てをするケープペンギンの姿に迫りました。

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取材こぼれ話

南アフリカ サイモンズタウン 編

南アフリカ、でも治安はいいんです!

今回のロケ地は、ワールドカップサッカーで注目を集めている南アフリカ。ロケの準備期間中、とにかく治安が悪い!という情報しか入ってきませんでした。膨大な撮影機材を抱え、カメラマンと覚悟を決めて出かけたところ…、たどり着いたサイモンズタウンはまるで地中海のリゾート地かと思うほど、の〜んびりとした住宅地。地元の人々は、みんなとてもリラックスして過ごしています。確かに大都会では常に身の周りに注意しなければなりませんが、ペンギンの暮らすサイモンズタウンは治安がとても良く、しかも、みんなとってもフレンドリー。我々が撮影のためにペンギンの巣の前にいると「撮影大変だねぇ!」とか「がんばれよぉ!」と全員が声をかけてくれます。おまけに何か起きれば「あっちにオットセイが来ているよ!」とか「イルカが来たよ!」と教えてくれます。町の人たちみんなが撮影スタッフのようで、本当に明るく、笑顔の絶えない素敵な町でした。

ペンギンのオスとメス

ペンギンのオスとメスを見分けるのは研究者の方でも難しいと言います。他の鳥のように羽根の色や鳴き声からでは見分けがつきません。でも、じっくり観察していると、人間と同じようにオスとメスの仕草になんとなく差があることがわかるんです。
番組で登場するペンギン夫婦のホープ君とケープちゃん。一緒に歩く時は旦那のホープ君が一歩前を歩くことが多いです。でも、いつも後ろのケープちゃんを気遣って、きちんとついて来てるか、何度も何度も振り返って確かめます。ケープちゃんの歩くのが遅れていると、しばらく立ち止まって待ってあげたり。とても心優しい旦那さん。ちなみに、ケープちゃんが前を歩いている場合は、ホープ君のこと、あまり振り返っていないようでしたが…。
また、独身のオスがケープちゃんにチョッカイを出そうと近寄って来ることも良くあります。すると、ホープ君、猛烈に怒ります。その様子を見ているケープちゃんは、なんだか急にしおらしくなったり。ペンギンのオスとメスの愛情表現はすごく豊かだなぁ、と思うシーンにたくさん出会いました。
ケープペンギンは、日本の水族館でもたくさん見られます。ぜひじっくり観察してみて下さい!

南アフリカの豊かな海

サイモンズタウンのあるフォルス湾。湾の内側は、それほど魚がいないのではないかと思っていたら、大間違い!とっても豊かな海だったんです。
湾の見渡せる高台には、サメを見張る人が常に監視に立っています。巨大なホオジロザメは上からも魚影が良く見えるため、ビーチに近付くとサイレンを鳴らすんです。と言うとちょっと怖そうな場所に聞こえてしまいますが、うれしい出会いもありました。取材期間は40日ほどでしたが、その間に何百頭というイルカの大群に3回も出会えたんです。種類はマイルカやハンドウイルカ。しかもクジラの姿も見えました。見渡す限りの大群に、地元の人もみんなで大興奮!我々も夢中でカメラを回していたら…、ペンギンが僕もいるよ〜!なんて調子で足元をウロウロウロウロする子がいました。ペンギンたち、この時ばかりは、主役の座を奪われて、ちょっと寂しかったのかもしれません(笑)