
第171回「ジャッカル 成功への道」
2009/11/15(日)午後7時30分~
タンザニア、セレンゲティ平原で暮らすセグロジャッカルは体長50cm。サバンナの肉食動物のなかでは小柄。名前の通り背中が黒い毛におおわれ、長い足と大きな耳を持っています。毎年乾季の8月、シロアリのアリ塚を利用してユニークな子育てがおこなわれます。前の年に生まれた子供のなかで最も成長の遅い未熟な子が独立せずに親元に残り、親の子育てを手伝います。その子供はヘルパーと呼ばれます。ヘルパーは親元で一人前になるための修業を積む傍ら、身を呈してハイエナを追い払い子供の安全を守ったり、食べ物を運んだりとかいがいしく子守をするんです。しかし、ヘルパーの生活は予想外に辛く厳しいもの。いくら子守を手伝っても、親がヘルパーに食べ物を分け与えることはありません。ヘルパーは親の縄張りで狩りの訓練を繰り返し、狩りの腕を上げていく。やがて、苦労が実を結ぶ時がやってくる。ヘルパーは一人前になり、生涯連れ連れ添う伴侶を見つけて独り立ちしていく。未熟な子供が一年間独り立ちを遅らせた分、確実にサバンナで生き延びる知恵と力を身につけていく仕組みがセグロジャッカルの子育てにはありました。番組ではヘルパーの成長の過程を見つめながら驚くほど粘り強い狩りや、かわいい子どもたちを紹介しました。
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