マングース 弟子入り志願!

第147回「マングース 弟子入り志願!」

2009/5/3(日)午後7時30分~

アフリカ赤道直下、ウガンダの大平原に暮らすシママングース。体長30センチのこの小さな動物は、50匹ほどの群れで暮らしていますが、世にも奇妙な子育てをします。子どもは母親ではなく年上のオスにぴったりと密着。ひとり立ちまでマンツーマンで面倒をみてもらいます。この師弟関係は、一つの群れに10組ほども作られます。まるで弟子とアニキ!食べ盛りの弟子は、食べものの探し方を学び取ろうとしますが、アニキはそう簡単には教えてくれません。弟子はアニキのあとをついて回り、食べもののコガネムシを探し出す方法や甲虫の固い殻を割る高等テクニックなど、秘伝のワザを目で見て盗んでゆきます。
マングースにとって最大の脅威は、別の群れのマングースです。特に、隣接する群れとの間では、縄張りをめぐって頻繁に抗争が起こります。数十分も続く噛み付き合いの中で、まだ小さな子どもが犠牲になることも珍しくありません。だからこそ、子どもは「弟子入り」をして一刻も早く独り立ちしなければならないのです。70匹ものマングースが土煙をあげて争う、群れと群れとの大バトルは、子育ての成果が試される運命の時でもあります。
赤ちゃんが3ヶ月生き伸びられる確率は、わずか4分の1。厳しい環境を生き抜くために、メスは子どもを生むことだけに全力を注ぎ、オス全体で少しでも多くの次世代を育てる方法が、この奇妙な子育てでした。弟子入りで大平原を生き抜くマングースの新伝説。

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取材こぼれ話

ウガンダ 編

10匹が同日出産!?

群れの中で10匹ものメスが「同じ日」に子どもを産む――そんな奇妙な話を聞いたのは、南アフリカの大平原の真っ只中でバーベキューをしている時でした。「ダーウィンが来た!熱血!ミーアキャット先生」(初回放送2008年6月29日)の撮影終盤を迎えていた頃のことです。そのふしぎな生きものとは、ミーアキャットと同じマングースの仲間、シママングース。しかも、母親ではなく、群れの中の年長のオスたちが、1対1で子どもの世話をするというのです。その関係は、まるで弟子とアニキ!

シママングースリサーチプロジェクト

それから9ヶ月後、私たちは再びアフリカへ向かいました。そこはウガンダ、まさに赤道直下。現地で迎えてくれたのは、イギリスのエクセター大学の研究者3人とウガンダ人のフィールドアシスタント3人。その名も「シママングースリサーチプロジェクト」!10年以上にわたり、毎日シママングースの研究を続けている力強い助っ人です。

世話好きなアニキたち?

はじめは、ホントにアニキと弟子なんて見られるんだろうかと半信半疑でした。しかし、私たちを迎えてくれたのは巣穴から出るようになったばかりの子どもたち。そしてその子どもたちは、年上のオスを必死に追いかけるではありませんか。その姿のなんと愛くるしいこと!

群れ同士の仁義無き戦い!?

撮影開始から1週間、研究者から、群れ同士の激しい戦いが1時間も続くことがあるという話を聞きました。突然起こる大バトルをとらえるために、群れの追跡を続けました。来る日も来る日も主人公の群れ「イレブン」の元に通い、ひたすら密着取材。そして、決定的瞬間が訪れました。

生きもののオキテ

地球上に数多くいる生きものの中でも、これほどまでに激しく群れ同士の争いを繰り広げ、厳しく競い合うものは、チンパンジーなどわずかしかいません。10匹が同時に生まれるという不思議な現象も、群れが結束して生きていくために欠かせない繁殖方法だったんです。 厳しさと、ふだん見せるアニキと弟子のペアのなんとも言えない愛らしさと、そのギャップがシママングースの一番の魅力。とっておき映像を放送でお楽しみください。