遊び大好き!?王様インコ

第146回「遊び大好き!?王様インコ」

2009/4/26(日)午後7時30分~

南米アマゾンの奥地に「インコの王様」と呼ばれる鳥がいます。極彩色の羽を持つ1m近い巨鳥「コンゴウインコ」です。このコンゴウインコ、専門家によると、厳しい自然の中でも暇を見つけては「遊び」に興じるというちょっと変わった鳥。枝をちぎって放り投げてみたり、コウモリのように枝にぶら下がってみたり、果てはコンドルをからかって遊んだりと、様々な「遊び」を見つけて暮らしています。
この悠々自適にも見える暮らしを支えているのが、彼らの食生活です。彼らの主食は植物の「タネ」で、ノコギリでも切れないような固いタネの殻さえ、巨大なクチバシで巧みに割ってしまいます。栄養豊富なタネをジャングルで独占することで、時間的な余裕が出来るんです。彼らは旺盛な好奇心で遊びの試行錯誤を繰り返し、飼育下では知恵の輪をあっという間に解くほどの知性を発揮します。
ところが、子育てが始まると暮らしは一変。成長著しいヒナに大量のエサを運ぶ傍ら、なぜか崖に集まり土の争奪戦をくりひろげます。土の中に、タネだけでは補えないミネラルが含まれていることと、主食のタネの毒素を中和するために土を食べなければならないと考えられています。タネを食べて大きくなるヒナのためにも、土は欠かせません。
子供のために泥にまみれながら土を巣に持って帰るコンゴウインコの親たち。それでも親鳥は子供への愛情を欠かさず、自慢の羽がぼろぼろになりながらも、けなげに子育てに励みます。

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取材こぼれ話

ペルー・奥アマゾン 編

ド派手な巨鳥 撮影は楽勝!?

今回の主役は「コンゴウインコ」。日本の動物園にもいるので、見たことがある人もいるかもしれません。赤や青の極彩色の体で、体長は1m近くもあるんです。正直、私、動物園でコンゴウインコを見ながら「こんな鳥がいたらさすがにすぐ分かるだろ…。」と心の中でつぶやいてました。「もしかして撮影、楽勝!?」一瞬抱いた甘い思惑、この日記を通して反省させていただきます。

アマゾンをアマく見るな!

日本から3日かけてたどり着いた南米アマゾン。撮影地となるペルーのタンボパタ自然保護区は、世界で最もコンゴウインコの観察がしやすい場所の一つです。早速ジャングルに足を踏み入れると、コンゴウインコのけたたましい鳴き声!すぐ近くにいる!…はずなんですが、姿が全く見えません。アマゾンのジャングルは、森の高さが40mを超えます。昼でも薄暗いほど植物が密集していて、コンゴウインコはその森の上に住んでいます。その上、コンゴウインコは人の気配を感じて、すぐに姿を隠してしまうのです。 私たち撮影スタッフは、森に20mほどの観察用のタワーを建てたり、大きな葉っぱで隠れ家を作ったり、あの手この手でコンゴウインコの撮影に挑みました。しかし、タワーの上はサウナ状態。一度登るとトイレにも行けません。葉っぱの隠れ家は、気づけばアリの大群に囲まれて身動きがとれない!なんてこともしばしば。そんな状況で1日粘っても、何にも撮れない日だってよくあります。撮影前は「あんな派手な体で、どうして敵に見つからないんだろう?」という素朴な疑問を抱いていたのですが、撮影を始めてしばらくの間は「あんな鳥、どうやって見つけりゃあいいんだ?」という疑問とひたすら格闘することになりました。

体感!雨季のアマゾン

アマゾンでジャングルと共にやっかいなのが、「雨」です。今回は、コンゴウインコの子育てが始まる雨季に撮影を行ったため、身の危険を感じるほどの雨に何度となく遭遇しました。一度雨が降り出すと、川辺の低い森は数時間で水没してしまいます。そんな日はやむなくロケは中止。仕方なく宿泊所でたまっていた洗濯物でも洗うのですが、雨が数日間降り続けると…  2日目 干したはずの洗濯物が初日より濡れてる… 3日目 洗濯物から森のにおいがしてくる… 4日目 洗濯物の色がなぜかスカイブルーに… 「うっ。カビだらけじゃあ!」湿度が90%を超えるジャングルで、日本人スタッフはこんな絶句と苦笑いの日々でした。そんな中でも、同行したペルーの現地スタッフは、「だって、ここは熱帯雨林なんだよ。」と素っ気なく一言。やっぱり「アマゾンに入れば、アマゾンの世界に従え」。自然にはあらがえません。それにしても、コンゴウインコはこんな雨の森で子育てをしているのです。詳しくは番組をご覧いただくとして、本当に彼らに「ご苦労様」と言いたくなりました。

今もって謎の多いインコの王様

さて、こうして撮り続けたコンゴウインコの生態。「なんだか人間みたい?」と親近感を覚えたり、「お見事!」と感心したりの連続です。しかし、コンゴウインコは、アマゾンを代表する鳥の一つにもかかわらず、その生態はまだまだ謎だらけ。この日記をご覧の通り、ジャングルの深い森で暮らしているため、なかなか暮らしぶりが見えてこないのです。今回は、アマゾンでコンゴウインコの観察を続けている研究者の協力のもと、その生態にせまりました。ぜひ番組を見て、その不思議な生活の一端を垣間見ていただければ幸いです。