シリーズ アフリカ再発見(1) ようこそ!キリンの楽園

第143回「シリーズ アフリカ再発見(1) ようこそ!キリンの楽園」

2009/4/5(日)午後7時30分~

アフリカ西部・ニジェール共和国。ここではキリンの知られざる素顔を見ることが出来ます。好物の野生のスイカを丸ごとほおばり、長い首を地面に横たえて白昼堂々お昼寝。生まれて間もない、まだへその緒のついた子どもがのびのび走り回ります。まさに「キリンの楽園」だ。ニジェールでは、キリンは農作物を守ってくれるため、昔から人々に大切にされてきたのです。現在も国をあげた保護政策により、1歳以上の生存率はなんと90%。年間20%もの勢いで増え続けています。楽園で見られる一番の圧巻シーンは、「ネッキング」と呼ばれる、メスを巡るオス同士の激しい戦い。首をハンマーのように振り回して、相手の首に角をぶつけます。まるで首を使ったボクシングです。首の戦いに勝ったものだけがメスと結ばれるため、オスは日夜戦いに明け暮れます。取材班は、楽園だからこそ見られるキリンの素顔を間近で撮ろうと撮影に工夫を凝らしました。木に登ったり、地面にカメラを仕掛けたり、あの手この手の工夫で数々の迫力映像を記録することに成功。時にはのんびりライフを満喫し、時にはプライドをかけて激しく戦います。たくましく、やさしく、微笑ましく。驚きの映像満載で送る、楽園キリンの新伝説。

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取材こぼれ話

西アフリカ・ニジェール共和国 編

ニジェール〜世界で最も野生キリンに近づける楽園

撮影の舞台は、西アフリカのニジェール共和国。北部にはサハラ砂漠が広がり、国土の大半は乾燥した砂漠地帯ですが、南部にはサバンナが広がっています。そこに、最大5メートルまでキリンに近寄れる場所があると聞き、私達は早速向かいました。行ってみると・・・確かにサバンナが広がってはいるのですが、それよりも目についたのは、広大な畑。たくさんの地元の農家の方が畑作業に汗を流していました。こんなところに、果たしてキリンはいるのか。それが、私たちの第一印象でした。 ところが!着いて30分。ガサガサガサッ!!突然、畑の間からキリンが現れました。しかも、私達撮影スタッフの方へどんどんと近づいてきます。やがて、その距離は5メートルまで縮まりました。いきなりのラッキー!?に私達は思わずガッツポーズ!でも、それは一時の幸運ではありませんでした。毎日、その距離で観察できたのです。キリンは警戒心が強く、しかも、高いところから優れた視力で辺りを見渡すことができるため、近寄ろうとしてもいち早く逃げられてしまいます。実は、自然番組制作者にとっては撮影の難しい動物なんです。 調べていくと、ニジェールのキリンが人を恐れないのは、古来より「人と共生」してきたためだったんです。しかも、キリンを脅かす野生動物が一切いないため、他の地域のキリンよりもおっとりとしていて、のびのびと暮らしています。ニジェールは、まさにキリンの楽園だったんです。私達は、ここで珍しい映像の数々の撮影に成功しました。

クイズ!キリンの素顔

突然ですが、クイズです。下に書いていることの中で間違っていると思うものを挙げてください。  (1)オスとメスでは角の数が違う  (2)座ることがある  (3)横になって眠ることもある  (4)地面のものを食べる  (5)オスは、首が長くて立派なほどメスにモテる  (6)オスは首を振り回し、頭を相手にぶつけて喧嘩する  (7)生まれてすぐの赤ちゃんの角は寝ている 正解は、なし。すべて間違っていないのです。 以下、その証拠写真をご覧ください。キリンの楽園だから観察できた、珍しい映像です。

誰も見たことのないキリンの撮影に挑戦!

人を恐れないというメリットを最大限にいかして、私達は誰も見たことのないキリンの姿に迫ろうと、あの手この手の工夫をしました。まず、世界一の「のっぽさん」であるキリンの、のっぽさんぶりをよりインパクトのある映像で表現するために、カメラを地面に埋め、高さを強調したカットを狙いました。結果は大成功!キリンは、何度も何度もカメラを覗きに来ました。まるで鼻息まで写っているような驚きの映像に、スタッフ一同、興奮の渦につつまれました。 キリンの目線の高さを感じてもらうため、木にも登りました。見晴らしはとても良好。キリンは、何やってんの?という感じで木の上のカメラに悠々と接近。 キリンの目線の高さと、地面から見上げたキリンの大きさを強調した映像は、番組の随所に出てきます。大迫力の映像を是非、お楽しみください。

ニジェールのキリンいつまでも!

今、世界各国を見渡すと、干ばつや乱獲の影響で、キリンの生息数は激減しています。キリンの楽園、ニジェールでは、国や保護団体による管理によって、世界で唯一その数が増えています。しかし、このまま干ばつが続けば、畑の作物を食い荒らし、いつか人と衝突してしまう恐れがあります。国は、キリンの生息地に暮らす住民への啓蒙活動を行ったり、キリン保護で得た収益を住民に無利子で貸し出したり、人とキリンの共存関係がくずれないよう懸命な努力を続けています。優しい眼差しで穏やかに暮らすキリン。いつまでも平和な暮らしが続くことを祈ってやみません。