まるで昔話!里山生きもの大集合

第140回「まるで昔話!里山生きもの大集合」

2009/3/15(日)午後7時30分~

タヌキ、キツネ、イノシシ、シカ、テン、リス、ネズミ・・・昔話の常連、日本人にはおなじみの動物たちが大集合するふしぎな世界があります。人里離れた深い森ではありません。人家のすぐ近くに広がる暮らしと一体になった自然、里山です。田んぼや小川、畑に雑木林……今回の舞台、滋賀県琵琶湖畔には、懐かしい里山の自然が色濃く残っています。そこでは、長い間繰り返されてきた人の営みが、思いがけず大きな恵みを生きものたちにもたらしていました。初夏、農家がシイタケを育てている雑木林では、シイタケの廃材を積んだ一角にカブトムシが大発生。それを狙い、夜ごと現れるイノシシの群れ。丸太をひっくり返して大暴れします。その様子を遠巻きに眺めているのはタヌキ。力持ちのイノシシが去ったあと、ちゃっかりおこぼれを頂戴する作戦です。夏、樹液に群がる昆虫たち。少年たちは虫採りを通じて、身近な自然の奥深さを学んでいきます。秋の庭先ではおじいさんが大切に育ててきた“ある木”に動物たちが大集合。タヌキやキツネ、サルにテン。入れ替わり立ち替わり現れる動物たちは、みな、“ある木”がもたらす甘い恵みを求めているんです。四季それぞれに繰り広げられる人と自然の共存の姿を、定点撮影やハイスピードカメラなどを駆使した極めつき映像で描きます。

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取材こぼれ話

滋賀県・琵琶湖畔 編

里山を捉えた影のカメラマン?

今回の舞台は、滋賀県の琵琶湖畔。千年以上の昔から田畑が開かれています。自然の恵みを絶やさぬよう上手に利用する人々の暮らしは、おいしいシイタケを育む雑木林や棚田など、美しい『里山』を作り上げました。里山はまた、生きものたちが大集合する豊かな生態系でもあります。 そんな里山の自然を描くうえでカメラマンが大活躍したのはもちろんですが、今回は、番組作りを支えてくれた影のカメラマン2名?に自己紹介してもらいましょう。

影のカメラマン(1)

私の名前は「赤外線センサーカメラ」。特技は、動物を脅かさずに撮影することです。武器は赤外線センサー。動物が発する熱を感知して、即座に録画を開始できます。しかも、センサーに反応がないときは電源をオフにしておけるため、ずっと待ち続けていてもバッテリーがあまり減らないんです。  そんな私に与えられた仕事は、「人と動物の共存」を描くこと。雑木林、深い森の大木の下、民家の裏庭・・・センサーをONにし、動物たちが現れるのをひたすら待ちました。春夏秋冬、雨の日も雪の日も星降る夜も。ときには半年間も、同じ場所で待ち続けました。 私の目の前には、驚くほどたくさんの動物が現れました。キツネやタヌキ、リス、シカ、サル、イノシシは常連。ほかにも、テンやイタチ、カケスやアオダイショウといった変わり者まで。しかも、同じ場所にはシイタケ栽培のおじさんや捕虫網を持った元気な少年など、人間たちも入れ替わり立ち替わりやって来たのです。 里山が多くの生きものたちにとって大切なすみかであり、人々にとっても欠かせない恵みの場であること。そのことを誰よりもこの目で見て知っているのは、実は私かもしれません。

影のカメラマン(2)

俺の名前は「スチール定点カメラ」その名の通り、静止画専門のスチールカメラだ。タイマー仕掛けで毎日同じ時刻にシャッターを切ることが出来る。俺に与えられたミッションは、「森が動いている」ことを示すこと。 目の前にある、伐採されたクヌギの切り株。一見、死んだように動かない。だが、春、かすかな変化が現れる。小さな芽が切り株から生えてくるのだ。始めは見逃してしまうほど小さな芽。だが、1ヶ月、2ヶ月と経つうちにみるみる成長する。夏の終わりには、なんと2?の長さになっていた。そんな変化を、俺は記録し続けた。 撮影した100枚近い静止画。紙芝居のように連続で見ると、クヌギは生き生きと動き出した。それは植物というより動物のようだ。人間が伐ることで、クヌギがもともと持っていた生命力が爆発したのだ。そんな風に、植物の持つ生命力を人間が上手に引き出すことが、いのちあふれる里山を生んだ。 動かずにじっと一箇所から撮り続ける。それこそ「森が動いている」ことを表現する、最高の手段なのだ。

昔話のような世界をお楽しみに!

影のカメラマンたちが大活躍した今回の番組。そのおかげで、いつもとは一風変わった『ダーウィンが来た!』が出来ました。おじいさんやおばあさんの傍らに動物たちが大集合!まるで昔話の1コマのような映像でつづる人と動物の共存の物語です。センサーカメラやスチールカメラにもちょっとだけ思いを寄せながらご覧頂けると、番組がより一層楽しめるかもしれません。