東京タヌキ 大捜索!

第024回「東京タヌキ 大捜索!」

2006/10/1(日)午後7時30分~

今、東京都内でタヌキの目撃情報が相次いでいます。番組では春から東京のタヌキ目撃情報を大募集。都内各地から多数の目撃情報が寄せられました。その情報をもとに専門家とともに東京のタヌキマップを作成。これまで調べられたことのなかった都内のタヌキ分布が明らかに。なんと、東京23区全域にタヌキが分布していることがわかったのです。また、寄せられた情報からタヌキを大捜索、高層ビルの立ち並ぶ新宿、渋谷など、都心部でも次々にタヌキの姿を発見しました。さらに、目撃情報を詳しく分析してみると、私たちの生活に欠かせない鉄道の線路が、タヌキの生活にとっても欠かせないものであることもわかってきました。タヌキが線路を使うとはいったいどういうことなのか?電車や車が行き交う踏み切りの中に住処を構えたタヌキ一家にカメラは密着。線路をうまく利用して食べ物を集める親ダヌキ。ようやく歩けるようになったばかりの愛くるしい子ダヌキ。わずか1m先を猛スピードで通過する電車の側で、幼い子供たちは無事に育っていくことができるのでしょうか?高感度カメラを駆使して、都会の闇で暮らすタヌキの知られざる姿を大公開。人知れず大都会で生き抜くタヌキの新伝説です。

※画像クリックで拡大します

取材こぼれ話

東京都心 編

ご協力ありがとうございました

今回の番組は、視聴者の皆さんのご協力で完成しました。 4月に目撃情報を募集したところ、放送直前まで本当に数多くの方からメールやお便りを頂きました。本当にありがとうございました。そんな皆さんの目撃情報を、都市動物研究会の佐々木洋さんとともに地図の上に落としていくと、意外なことに気づきました。 なんと、線路の周辺に目撃情報が集中していたのです。もう一度目撃情報を丹念に見直すと、「線路脇で見た」「駅の構内で見た」「駅前で見た」などなど、目撃場所で一番多かった場所が、そうした鉄道施設の周辺だったんです。大学の研究者に取材すると、海外では動物が線路を獣道として利用しているという報告があることを教えていただきました。やっぱり線路が重要かも、でもどうやって線路を通るんだろうと思っていたところに 世田谷区にお住まいの方から、踏み切りにタヌキの家族がいるとの情報です。 行ってみると、人や車が行き交う排水溝の中にタヌキがたくさんいたんです。しかも夜中まで待っていると、ほんとにビックリ、親のタヌキがレールの上を歩いていくではありませんか!今回の番組の主役になる家族が決定した瞬間でした。

優しい人たちにタヌキは見守られていました

タヌキは夜行性です。暗くなると動き回る動物です。ですから、必然的にロケも夜。タヌキの撮影は毎晩徹夜仕事なのです。夕方に現地について、後は朝までタヌキの後を追いかけます。しかしタヌキには法律も何も関係ありません。民家の生垣から庭の中へ、今度は玄関の門から出てくると、次は線路を横断して・・・と、自由奔放、縦横無尽。 そんなタヌキを追って怪しげな男が3人(カメラマンと音声マンとディレクター)。タヌキに警戒されないように黒ずくめの服。手にはカメラ。家の隙間を覗いて歩く。どこからどう見ても怪しいです。不審者です。 そんな感じで撮影を続けていると・・・。やってきたのは、お巡りさんでした。近所の交番には声をかけていたものの、パトロール中のお巡りさんは我々のことを知りません。「何をやっているのか? 名前は? 住所は? 職場の連絡先は・・・・・」職務質問の始まりです。お巡りさんに事情を説明している間に、タヌキは我々を嘲笑うかのように、道路を横切ってまた別の家の中へ・・・・。そうして、貴重なシーンを撮り逃すこともありましたが、お巡りさんもお仕事です。因みに、お巡りさんたちもタヌキのことが気になって、たまに見に来ることがあるんだそうです。 一方で、撮影地の付近にお住まいの皆さんには、本当にお世話になりました。暗闇にカメラ片手にたたずむ我々は本当に不気味だったと思います。それにも関わらず、いろいろとタヌキの情報を提供していただいたり、一晩中、家の中やお庭で撮影をさせて頂いたり、本当にお世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。今回タヌキの暮らす場所にお住まいの人たちからいろいろお話をうかがう中で、皆さんタヌキに対して深い愛情をもっていらっしゃることが感じ取れました。ひょっとしたらタヌキはそんな人の心を知った上で住処を決めているのかもしれません。

タヌキはどこにでもいます

今回の取材を通して、都内各地のいろんなところでタヌキの姿を探しました。そして、いろんなところでタヌキに出会いました。 東京のタヌキというと、都会に残された豊かな自然の象徴のように扱われる場合が多いのですが、必ずしもそうではないのでは、とも思うようになりました。本当に緑なんてほとんどないような場所にもタヌキは暮らしています。私たちが思っているよりもはるかにタヌキは東京の環境に適応し自然がなくても生きていけるのかも知れません。かといって、東京のタヌキが本当に幸せなのかどうかは分かりませんが・・・。 これからもタヌキはこの東京の中で逞しく暮らしていくことでしょう。あなたの目の前にも現れるかもしれません。すでにあなたの家のすぐ側にも夜な夜な現れているかもしれません。秋の夜長、散歩がてらタヌキ探索もいいかもしれません。くれぐれも怪しまれないように・・・。今回の番組を通して身近なこの生きものに関心を持って頂ければ制作者としてはうれしい限りです。