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タイトル ニュースハイライト 「所得倍増計画で高度成長」 公開日 1961年(昭和36年)12月30日

再生テキスト

池田首相「私が今までやってきた経済政策で、大体自分の考えとる以上に国民はよく働いて努力しております。成績を上げております。私が考えとった以上に。だから、それは、いろんなことをおっしゃる人があるかもわかりませんが、この池田にお任せ願いたい。」

 ここ数年の間、神武景気、岩戸景気と華やかな繁栄の道をたどってきた日本の経済は、今年に入ってからも池田さんの言葉を裏づけるように、その規模はふくれ上がる一方でした。

 経済の成長に伴って、今までの設備だけでは足りなくなってきた工場は、次々と施設を拡張し、都会では、余裕のできた会社が近代的なビルディングを争って建てるようになりました。設備投資の金額も去年の実績をはるかに上回って、10年計画の最終年度、昭和45年度に見込んでいた3兆6000億円にわずか1年で追いつきそうなふくれ方でした。

 経済界の活気をそのまま反映して、株の取引は増えるばかり、第二市場も発足し、株価は正月の大発会以来、天井知らずの上昇を続けました。

 一方、経済が伸びるにつれて、消費生活の内容もひところに比べて見違えるように向上しました。日曜ともなればデパートはどこも超満員、電気冷蔵庫やルームクーラーなど、耐久消費財の売れ行きがよく、比較的手軽に買える扇風機なども初夏のころには早くも売り切れるという始末でした。

 レジャーという言葉が流行し、生活にゆとりができたためか、小型乗用車を買い求める人が目立って増えてきました。

 しかし、私たち一般の生活そのものは、今年に入ってから生活物資や公共料金が相次いで値上がりし、決して楽になったとは言えませんでした。この1年、消費者物価は東京で9%ほど上がっています。

「経済的には、大体3人で3万円のところが何かこのごろは4万円ぐらいかかりますですね。うっかりしますと足を出してしまいます。」

 所得倍増のかけ声とは裏腹に、これでは物価倍増だと、主婦の値上げ反対運動が活発に続きました。

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