ホーム » ニュース » ニュースハイライト 「石油危機 日本を直撃 」

ニュース

タイトル ニュースハイライト 「石油危機 日本を直撃 」 公開日 1973年(昭和48年)12月30日

再生テキスト

 インフレと物不足の中で、製品の大幅な値上げが企業を潤わせ、生活の苦しさとは裏腹に偏った繁栄が続いていた。

 10月、遠い中東の戦争が日本の経済成長の火を消した。イスラエルへの圧力を狙ったアラブの石油供給制限は、金さえ出せばいくらでも買えるという経済大国のおごりを吹き飛ばした。

 政府は石油の消費を減らすため、企業に対して2回にわたって石油と電力の使用制限を決めた。

 マイカーも自粛の対象になり、ガソリンスタンドも日曜祝日は営業をやめている。

 石油危機の最中、過労で急死した愛知大蔵大臣に代わって、高度成長政策に批判的な福田大蔵大臣が登場した。

福田大蔵大臣「今までのいきさつに一切こだわらず、白紙でですね、この二極対策に取り組むと。そのことの再確認をですね、求めたわけでありますが、総理はですね、「その通りにいたしましょう」という非常に明快なですね、お答えがありましたので、私ももう清水のね、舞台から飛び降りるような気持ちでですね、大蔵大臣に就任すると。

 深刻な石油危機打開のため、三木副総理が特使としてアラブ諸国を訪問。政府は大国に重点を置き過ぎた外交政策から一歩踏み出し、中東問題でアラブよりの新しい政策をとった。

 12月25日、アラブ側は石油の生産制限を緩め、10%増産すると共に、日本を友好国のリストに加えた。しかし原油の価格は今年の初めに比べておよそ3倍に値上がりしている。

 原油の99.7%を輸入に頼る日本の打撃は大きく、強いと言われていた円の国際的な評価も再び暴落した。

 灯油もプロパンガスも軒並み大幅に値上がりした。タクシー、中でも個人タクシーや規模の小さい会社のタクシーは、プロパンガスの不足の影響をまともに受けた。

運転手「またあの割り当て、切符貰えなかった。今日もまたあぶれたよこら、やんなっちゃったなあもう…」

 年が明ければ、タクシー料金は値上げされそうである。

運転手「150から180走ったもんが、75キロしか走れない。だからみなさん乗車、乗車拒否もうやらざるを得ないんですよこれ。弱いもんほどもうやられていきますね、こういう経済状態のもとでは。」

 福祉元年にかすかな期待を寄せていたお年寄りたちも、ますます激しさを増すインフレの年の瀬は、寒さが一段と堪えた。

ページトップ